「勇気」と言ってしまえば聞こえはいいが、その実、ファンひとりを失うかもしれないわけだから、普通のアイドルにはなかなかできることではない。
「地下アイドル」にとって、ファンひとりのウエイトは、地下にいくほど重くなっていく。それは「地下アイドル」独特の構造ゆえだ。
「地下」に行くほど「ファンとの依存関係」が強くなる
多くのアイドルが、少しでも大きなライブイベントに出演するために、観客動員に必死になる。
当然、人気が出て多くの集客が見込めれば、大型のライブハウスでのイベントに誘われるようになる。
逆に、集客がないアイドルは「入場料での収益」が見込めないことから、ライブに呼ばれなくなる。出演できるライブがなくなることは死活問題だ。
また、「物販での売り上げ」に収入を頼っており、たとえファンひとりであっても、失うことは大きなロスを意味する。それゆえに「地下にいくほど、依存関係は強くなる」という構造となる。
「文句だけを言い続ける人はファンじゃありません。もう最初の事務所の頃に一番辛い思いをしたので。他はそれに比べたら全然平気です」と松山は言ってのける。
とかく「アイドルは病みやすい」と言われる昨今。その原因となるのは「ファンとの距離の近さ」にあると言われている。
コロナ禍以前であれば「握手会」。そして「チェキ会」「SNSを通じてのやりとり」「ライブ配信」など、ファンとの距離は非常に近いものがある。だからこそ、心無い発言をする人も出てくる。そして、切り捨てれば、裏で悪口も言われるのが常である。それをも気にしない。
だからこそ、松山には「ファンでない人たちを切り捨てる勇気」が備わっていると言える。
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