サッカー代表「用具・医療・分析」担当に精鋭が結集 最強スタッフ含めた総力戦で強豪国と対戦

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そういった配慮が選手に伝わるのか、気軽に声をかけられることも多いという。特に細井トレーナーの場合は、今年3月のアジア最終予選の大一番・オーストラリア戦(シドニー)で2ゴールを叩き出した三笘から「活躍できたのは細井さんが見てくれるからだよ」と言われ、胸が熱くなったという。選手たちも彼らのサポートに感謝しながら、ピッチで戦い続けているのだ。

JFAの活動に30年近く携わっている加藤晴康ドクターもチームに不可欠な存在。日本代表の帯同はアルベルト・ザッケローニ、ハビエル・アギーレ、ヴァイッド・ハリルホジッチ、西野朗、森保一監督に至る約12年間だが、1990年代後半から代表チームの変遷を知り、北中米や南米、欧州、アフリカなどにも帯同してきた百戦錬磨の経験は本当に頼もしい。

「近年、海外でプレーする選手が多くなり、各チームとのコミュニケーションが増えたのが大変なところです」と加藤ドクターはしみじみ語る。

サッカー日本代表 スタッフ
各年代の代表に30年近く携わってきたチームドクターの加藤晴康さん(写真提供:JFA)

確かに今回も26人中20人が欧州クラブ所属選手で、大会直前に板倉滉(ボルシアMG)、浅野拓磨(ボーフム)、冨安健洋(アーセナル)らがケガをしている。11月2日に負傷してW杯欠場を余儀なくされた中山雄太(ハダースフィールド)のようなケースも出てきて、加藤ドクターは情報の把握に奔走したはず。治療法やリハビリなどもクラブや担当医によって考え方が大きく異なるため、それを事細かく把握し、本当にピッチに立てるか立てないかの判断を下さなければならない。まさに責任重大な仕事と言っていいのだ。

「私はチームドクターなので、最終的に日本代表チームにメリットがあるかどうかを考えるのが大前提。選手にとってのメリットも考えないといけません。多少、痛みがあったとしても、代表に入る方がチーム・選手のためになるならゴーサインを出すべき。どちらかに不利益になるならノーという決断を下さないといけない。そのバランスの取り方がすごく難しい。この30年弱、ずっと苦労してきました」と複雑な胸中を打ち明ける。

11月23日のドイツ戦に板倉、浅野、冨安らが出場できるかどうか分からないが、加藤ドクターはあらゆる角度から状況把握に努め、最終的に森保監督に意見を伝えることになる。ケガ人が全員回復してくれれば理想的。そうなるようにまずは祈りたい。

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