英語留学大国目指すフィリピンの日系学校の努力 オフ・オンライン授業で工夫を凝らし日本人を呼ぶ

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新たに採用した教師に向かって、心得を説くフィリピン・セブの英語学校QQEnglishの藤岡頼光CEO(写真・柴田直治)

新型コロナウイルス感染症が拡大する前、フィリピンで大きく飛躍した新興産業がある。日本人起業家らが立ち上げた英語留学だ。リーズナブルな価格と日本から飛行機で直行4時間という近さ、アメリカやイギリスなどではかなわないマンツーマン指導をウリに2010年代、受講生を年々大幅に増やしてきたが、突然のロックダウンで需要が消えた。

それから2年半、日本とフィリピン双方でようやく渡航制限が緩和され、生き残った学校が受講生の受け入れを再開した。復活はなるか。さらなる発展は見通せるか。2022年10月末に英語留学の中心地セブ島を訪ね、現況を見た。

再開したが受講生はまだまばら

フィリピン中部セブ州のマクタン・セブ国際空港から車で1時間足らず。セブ市のビジネス特区ITパークに立つ17階建てのオフィスビル7階に日系最大の英語学校「QQEnglish」の受付がある。2500平方メートルのフロアに受講生用のソファやブッフェ形式の食堂が配置されるが、3分の2ほどの面積は396のブースが占める。

ブース1区画はアクリル板で仕切られ、それぞれパソコンが設置されている。オフライン(留学)の受講生と教師が入り、対面する作りだ。オンラインが忙しくなれば2人の教師がそれぞれパソコンに向かう。ブースの多くで、ヘッドセットをした教師が世界各地と結んでオンラインの授業をしているが、対面するオフの受講生はぜんぶで30人ほどだ。

校内ですれ違うのも白いシャツの制服を着た教師がほとんど。日本、中国、ベトナム、タイ、イランなど各国から1日600人の受講生を受け入れていたコロナ禍前を思えば、いろどりや賑わいに欠ける感じは否めない。

高校の英語教師を目指して通信教育を受けている静岡県藤枝市のKさん(25)は2022年10月初旬から4週間滞在した。大学生時代にスタディーツアーでセブに来たことがあり、馴染みがあった。1日6時間、マンツーマンで英語を話す機会は日本にいては得られない。往復の航空券、授業料や寮費、食費など総額30万円程度で済み、ブッフェの食事も悪くなかった。他の受講生が少なく、少し寂しかったが、寮のシャワーの待ち時間がないなどよいこともあった。総じて満足できる滞在だったと評価した。

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