英語留学大国目指すフィリピンの日系学校の努力 オフ・オンライン授業で工夫を凝らし日本人を呼ぶ

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セブに隣接するマンダウエ市の商業施設の3、4階に学校と寮を設ける「IDEA CEBU校」も2022年3月からオフの受講生の受け入れを再開した。日本の夏休み中は中高生を中心に250人ほどが滞在したが、同年10月下旬には約50人になっていた。同校の都地志保校長は「予想通りまだ受講生は戻っていない」と話す。

在校生は日本人が最多だが、次いでロシア人が多い。10年前に受講した後、セブ大学を卒業してスタッフとなったロシア人(28)が発信するSNSを見てやってくるケースが多い。このスタッフは「今春からは戦争を嫌って、滞在を決めた男性が増えた。学校をやめてもセブにとどまって戦争が終わるのを待っている人がほとんど」と話した。

アメリカに次ぐ留学生受け入れ国

「世界への挑戦を、もっと身近に」のキャッチフレーズで2013年にセブで開校した「MeRISE (ミライズ)」は、中心地オスメーニャ・サークルに近いビルに学校と寮を構える。コロナ禍前は社会人を中心にセブで100人の受講生を受けいれていたほか、東京、横浜、福岡に計9カ所の英語学校を展開し、フィリピン人講師を派遣していたが、日本でも対面授業はほぼ停止となり、うち5校を閉めた。

2013年にセブで開校したMeRISEの受付。右端が渡辺和喜COO(写真・柴田直治)

セブ校に留学していた受講生は2022年10月末現在、20人程度。渡辺和喜COO(最高執行責任者)は「フィリピンと日本の入国規制が緩和されたのが10月に入ってからということを考えれば仕方ない」と今後に期待する。

フィリピンへの英語留学事業は1990年代後半、韓国人が始めたとされる。韓国系の学校に留学した日本人らが「もっと日本人に適したサービスがあるはず」と2011年ごろから相次いでセブに学校を立ちあげ、その後、急速に数を増やしていった。

フィリピンの日刊紙インクワイラーによる、コロナ前の2019年に英語学校はマニラ、バギオ、ダバオ、クラークなどに計165校があり、過半はセブに立地していた。2018年に就学許可証を申請した外国人は5万9428人で、2013年の2万2561人からほぼ倍増した。

日本の留学サービス事業者など60社・団体でつくる海外留学協議会(JAOS)の統計では、日本人の海外留学先でフィリピンは2019年8232人。イギリスを抜いて、アメリカ、オーストラリア、カナダに次いで第4位となった。

フィリピン英語留学協会(16校加盟)の斉藤淳会長によると、フィリピンへの留学を扱う事業者の多くがJAOSに加盟していないことなどを考えれば、コロナ禍前、年間2万~3万人の日本人がフィリピンに留学し、留学先としてはアメリカに次ぐ規模になっていたという。

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