世界の海を知る男が故郷・鹿児島で始めた新事業 安全な観光船の背景に漁師としての豊富な経験

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
岩﨑明さん
世界の海を経験した岩﨑明さん。彼が故郷の海で始めた、一年中“ホタル”が見られるグラスボートとは?(写真:著者撮影) 
この記事の画像を見る(7枚)

鹿児島の北端にある長島町ではきらめく夜光虫が見られるナイトクルーズが年間を通して開催されている。夜光虫は代表的なプランクトンの一種で、物理的な刺激を受けると発光する習性がある。真っ暗闇に包まれた海で輝く様子はまるでホタルさながらだ。 

「川辺のホタルは初夏のわずか1カ月くらいしか見られませんが、海のホタル(夜光虫)なら一年中見られます」。そう話すのはナイトクルーズ船・船長の岩﨑明さん。 

グラスボートから見る夜光虫の輝き(撮影:岩﨑謙治)

岩﨑さんは長島町で網元の家系に生まれて海を遊び場に育ち、高校卒業後は世界中の海で遠洋漁業を展開する水産会社に就職。航海士としてハワイやロシア、オーストラリア、アフリカ沖など世界中の海を航海した後に長島に戻り、網元4代目として家業を継ぐとともに、観光グラスボート事業も始めた。 

「ほかの誰もやらないことをやる」が信念。漁師として長島の海を身近に育ち、世界の海を見てきた経験を生かして海の面白さや不思議さ、すごさを伝えている。この記事ではグラスボートツアーの様子や事業運営に至った岩﨑さんの経歴を紹介したい。 

海中探検コースとナイトクルーズ 

岩﨑明さんは観光グラスボート事業のほか、民宿と食堂の運営も手掛ける。以前は漁業も多岐にわたって行っていたが、現在は親族が中心になって執り行う。獲れた魚は民宿や食堂で提供。ミズイカ(アオリイカ)やメジナ、キビナゴなど、長島の海の幸が味わえる。

民宿兼食堂のえびす屋。観光グラスボートの受け付けもここでやっている(著者撮影)
次ページ知識と技術あってこその「ナイトクルーズ」
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事