"きれいなノート"を取る人は「試験に落ち続ける」 「内容の理解」よりも今すぐ取り掛かるべきこと
これまでの連載で書いたとおり、普通の人は一回触れただけの論点を理解することは絶対に不可能です。何度も何度も繰り返すことで、意味が少しずつ理解できるようになり、知識が自分のものになります。授業や講義など、特定の論点に初めて触れる段階でノートを作っても、本当に必要な知識をピックアップすることはできません。
たいていは、不必要な内容を取り込み、必要な情報を取り漏らしてしまうでしょう。そもそも、覚えるべき内容はすべてテキストにまとめられています。ですから、改めてまとめの資料を作る意味はまったくありません。
繰り返してテキストを読んでいると、最初は重要だと思わなかった部分の重要性に気付くこともありますし、逆に重要そうに見える部分があまり出題されないということに気付くこともあります。最初にきれいなノートを作って、それをもとに勉強していると、結局は情報の過不足が生じることになり、非効率です。効率を追求するなら、ノートは作成せず、インプットはテキストに一元化することが望ましいのです。
もっとも効果的な方法は、「テキストを育てる」こと
このように、きれいなノートを作っても、知識を網羅的に得るためには、結局テキストを読むことになります。ノートを作る過程の意味は乏しいので、勉強方法としてはおすすめできません。勉強の目的は知識を得ることであり、きれいなノートを作成することではないからです。意味が乏しいことに時間をかけていると、非効率になり、結果が出なくなります。
効率的な教材の管理方法は、「テキストを育てる」ことにあります。具体的に説明すると、やるべきなのはテキストの重要な部分と重要でない部分を分け、読みやすいようにすることです。
合格しようと思えば、テキストは何度も何度も読むことになります。当然、薄い方が効率的です。問題集や過去問を繰り返すうちに、出題頻度が高い論点と、そうでない論点がわかるようになります。