台湾のエンジニア集団が「政治」で活躍できるワケ オードリー・タン氏も活躍したコミュニティの今
コロナ禍で参加人数が爆増中
台湾のシビックハッカーのうち、ソフトウェアのソースコードを開放する〈オープンソース〉に関心のある者が集うコミュニティから生まれたのが〈g0v〉だ。設立からちょうど10周年になる。
数字のゼロを使った〈g0v〉という名称は、政府の略称がgovernmentに由来した〈gov〉であるのに対し、「政治をゼロから再考する」という彼らのスタンスを表したもの。「『なぜ誰もやらないのだ?』と訊くのをやめて、まずは自分がその『やらない人』の一人であることを認めよう」というのが彼らのモットーだ。
コロナ禍にオードリー・タン氏が開発したことで日本でも話題になった台湾政府の「マスクマップ」も、〈g0v〉の1000人ほどのシビックハッカーらとともに開発したものだ。
台湾でもこのコロナ禍で〈g0v〉の存在について知る人が増え、2019年の12月には5000人程度だったSlack(チャットルーム)のメンバーが、現在は1万2000人以上と倍以上にまで成長し、日々活発にやりとりが行われている。
代表的な活動の一つが、2カ月に1度開かれる100人規模のハッカソン。誰でも無料で参加でき、希望者は自発的に議題を提案し、時には政府の関係者や専門家などを迎えながらオープンな場で討論し、プロジェクトの参加者を募ることができる。
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