ですから、刺激が次々と発生すると、脳は、打ち返すのに必死になってしまいます。それでは深い思考はできませんし、頭の中のおしゃべりが始まるトリガーも、どんどんやってくるわけです。
SNSでたくさんの写真を眺めながら、「これいいな」「かっこいいな」などと思いますよね。それは、自ら延々と刺激を入れ続けることになっているのです。
SNSがメンタルヘルスに及ぼす悪影響
こういった状況を考えると、現代人は、かつてよりもチャッターが増えている可能性があるのではないかと感じます。
アメリカでは、SNSがメンタルヘルスに及ぼす影響に関する研究が、かなり進んでいます。
全体的な自殺率が高まっているのですが、特に、インスタグラムの利用率が高いティーンエイジャーの女子のメンタルヘルスが悪化していると言われており、シリコンバレーを含む社会の問題にもなっているのです。
人間は、他人と自分とを比べるから不幸せになるのですが、SNSは比べるツールであり、マウンティングするツールになっています。
「いいね」がたくさんつかないと自己承認欲求が満たされず、自己否定に走り、自己受容もできなくなってしまいます。しかし、日本では、SNSとメンタルヘルスの問題に関する社会的な関心が、欧米よりも薄いままです。
(中編、後編に続く)
(構成:泉美木蘭)
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