「シェア買い」アプリが利用者を伸ばしている事情 保存できる「水、米」のほか「肉」の注目度が高い

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アプリ内にある「シェア買い」のタイムラインでは共同購入の呼びかけや商品についてのコメントが書き込まれている(写真:カウシェ)

人気がある商品カテゴリは食品。水、米などの保存期間が長いもののほか、肉類も注目度が高い。その他2022年7月に取り扱いを開始した化粧品もよく売れているという。

「肉については、購入を考えている方が部位による味の違いについてLINEのオープンチャットで質問を投げかけ、購入経験のある方が答える、といったやり取りが連鎖的に起こったこともある。共同購入という仕組みならではのコミュニケーションだと注目している」(門奈氏)

上記のようなカウシェの今までにない購入体験が注目され、SNSによるツールということもあって、アプリについての情報が連鎖的に拡散。2022年9月時点でダウンロード数100万件を超えている。

人を経由し自動的に拡散されていく

同社の過去のデータから導き出した数値では、1人の商品購入が追加で1.56人への拡散・購買に繋がっているそうだ。

このような人を経由し自動的に拡散されていくカウシェの仕組みは、ビジネス視点から考えても非常にうまく働いていると言える。

出品事業者の立場で言えば、ユーザーが自発的に宣伝してくれるため、広告費や通販サイトの出店料といったコストを抑えられる。その分商品の値引きもできるわけだ。

また事業者にとっての売り上げ以外のメリットとして「あからさまな値下げ」をせずに購入してもらえる点が挙げられるという。ブランドイメージを守るため見切り品などの値下げをしていない事業にとって、シェア買いによる割引ということで、ブランドの方針を守りながら商品を売り切るのに役立つ。

「その他、既存の通販サイトとは異なる層にリーチする目的で利用されている事業者も多い」(門奈氏)

1000人、2000人といった規模の大人数シェア買いとなると、ロットで販売できる。いわば予約販売のような形になるため、商品ロスを防げるメリットがある。

なお、カウシェは取引が成立した場合、販売手数料として売り上げの10%、3.5%の決済手数料を受け取る仕組みになっている。そのため利用者を増やし、利用を継続してもらうための取り組みに最も力を入れている。

第1に、幅広い商品アイテムをそろえた「面白い売場づくり」だ。

「非常に速いスピードでお客様がお客様を呼び、しかもそのお客様像が自動的に進化していくという状態。そうした変化を続けるお客様が求めるものを常に提供できなければならない」(門奈氏)

「お客様像の進化」とは言い換えれば、利用客の多様化だ。例えば育児中の母親のグループが子育てに関する情報交換をする中で、カウシェについて口コミが広がり、利用するようになったケースがある。また国内各地の在留ベトナム人コミュニティに認知され、国内の在留ベトナム人の約2割にあたる8.5万人のベトナム人に利用されているそうだ。

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