「シェア買い」アプリが利用者を伸ばしている事情 保存できる「水、米」のほか「肉」の注目度が高い

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カウシェのホーム画面。人気が高いのは水や米など日持ちするもの。その他、肉や化粧品の注目度も高い(写真:カウシェ)

手順は次の通り。

まずアプリで好きな商品を選んで購入し、商品情報をSNSで友達や家族などにシェア、共同購入の参加者を集め、24時間以内に必要人数が集まれば成立。あらかじめ表示されていたお得な価格で商品を購入でき、それぞれに商品が届く仕組みだ。

通常、シェア買い成立までに必要なのは自分を含めて2人。参加者が必要人数に達しなかったときは不成立となり商品を購入できないが、成立率は高く、2021年9月から2022年8月の期間中では84%の成立率だったという。

取扱商品は食品、日用品、家電、化粧品など。通常より10~20%オフの商品が大半だが、カウシェでは成立までの必要人数が30人、50人といった「大人数シェア買い」というイベント企画も行っており、その場合40~60%値引きされることもある。また過去には2000人の大人数シェア買いが成立したこともあるそうだ。四半期に1回程度開催される「超シェア買い祭」ではそれ以上の低価格化が可能で、過去の例では約5000商品が最大79%オフになったことも。

「成功か失敗か」というゲーム要素

カウシェのサービス開始は2020年9月。立ち上げ背景について、運営企業のカウシェ代表取締役CEO門奈剣平氏は次のように説明する。

「開始したのがちょうどコロナ流行の直後とあって、物の売り買いが世界的に冷え込んだタイミング。日本のEC化率はだいたい8%なので、逆に言えば90%以上がオフラインで物が売り買いされている。傷つかない会社のほうが珍しいということだ。Eコマースの先進国である中国では逆に、コロナ禍でもオンラインの販売方法が多数あったことから、経済的な打撃を受ける企業が少ないように見えた。日本にももっとネットショッピング体験を進化できる余地がある。とくに安い、すぐ届くということにとどまらず、楽しさのあるショッピング体験を提供したいと考えサービスの立ち上げに至った」(カウシェ代表取締役CEO門奈氏)

カウシェのショッピングではまず、「取引が成功か失敗か」というゲーム要素がある。さらに、取引を成立させるためにSNSで商品の情報をシェアしたり、商品について情報を呼びかける、商品レビューを書いて人に勧めるなどのコミュニケーションが生じる。

ふだんからこまめにレビューを書いておくことで信頼性がアップし、シェア買いの参加者も集めやすくなる。いわば自らがインフルエンサーになれるわけだ。こうした買い物体験における「楽しみ」が、カウシェの特徴となっている。

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