「シェア買い」アプリが利用者を伸ばしている事情 保存できる「水、米」のほか「肉」の注目度が高い
多様な品ぞろえを実現するために出品事業者数も拡大していくが、その際注意しているのがアフターサポートの面だ。例えば安く購入できたとしても、商品がすぐ届かなかったり、クレームへの返信がないようでは、せっかくの楽しい買い物体験が損なわれてしまう。そうしたこともあり、現時点では、すでにオンライン通販の実績がある企業、例えばAmazonや楽天といった大手通販サイトに出品している事業者との契約を積極的に行っているそうだ。
試しにカウシェとAmazonのサイトで同じ商品を比べてみたところ、「あきたこまち」5kgが防虫剤のプレゼント付きで2560円。Amazonはプレゼントなしで2580円なので、少しだけお得なようだ(いずれも調査時点の価格)。とはいえ、どのサービスが最安値になっているかは時期によって変動があるため、比べてみて、もっともお得なところで買うのがよいだろう。
その他上手な利用の仕方があるか聞いたところ、友達同士でLINEのグループを立ち上げて一緒に買うと、参加者が集まりやすく成功率が上がるという。
またLINE上にカウシェのオープンチャットが作成されており、そのグループで購入するやり方もある。こうしたカウシェ内のオープンチャットは参加者が1万4000人以上になっているそうだ。その他、「シェア買いタイムライン」では共同購入を呼びかけるコメントやリコメンドが掲載されているので、こまめにチェックしておくとお得な商品を見つけやすい。
ユーザーとして気になるのが参加者同士のトラブルだが、匿名で参加しており配送も別々のため、これまでのところ問題なく運営されているそうだ。ユーザー主導で自然とルールができ、コミュニティリーダーのような存在も生まれているという。チャットでのやり取りも参加者が互いに注意し合って円滑に回っているという状態のようだ。
目標は年間流通取引総額「1000億円」
将来的には2025年を目標に年間流通取引総額1000億円を目指す。
「現在の弊社はヒト、モノ、カネが回り始めた状況。広告に頼らないサービスのあり方を世の中に紹介し、大きなECマーケットプレイスをつくるためのチケットを手にできたと考えている。流通取引総額1000億円は大きな目標だが、それでもAmazonの10分の1以下。Eコマースでは一定の規模を作るのが重要なので、まずは新しい事業者を増やしお客様に新しい商品を提供していきたいと考えている」(門奈氏)
EC先進国の中国では、カウシェのような共同購入ネットサービスは大きな市場を形成しているという。また日本でも似たサービスとして「シェアモル」がある。2019年9月にスタートし、2021年3月の時点で累計ユニーク訪問者数が300万人を超えているという。コロナ禍により飛躍的に伸びたEC市場において、さらに新しい形での競争が始まっているようだ。
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