父は「偏差値35なのに東大志望」の僕をこう叱った 3回目の「東大合格発表」前日に大げんかした訳

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なんで僕が怒ったのかというと、それこそ、「結果だけを見られている感覚」があったからです。

僕は、2浪して、東大受験を頑張ってきました。ですが父親のその行為は、その努力の過程・プロセスを見るのではなく、結果だけに拘泥しているような印象を受けたのです。

初めてわかった「父の本音」と「オーメン事件」

それで喧嘩になって、お互いにいろんなことを言い合って、一通り喧嘩した後に、父は不意にこんなことを言いました。

「だって、落ちたらお前泣くじゃないか」と。

「は?」と僕は思わず聞き返してしまいました。すると父はこう続けるのです。

「お前、ここまで超頑張ってきたのに、このまま落ちたら、絶対泣くじゃないか。お前が泣いている姿を見るのは嫌だ」と。

「なんだそりゃ」と思ったのですが、そのとき僕は自分が思い違いをしていたことに気づきました。

父は確かに、結果を見ていました。模試も、東大受験も。でもそれは、別に僕のことを考えていないというわけではなかったのです。子どもが大事だから、結果を見ていただけ。子どもの努力が報われてほしいから、合格してほしいと考えて、結果を気にしていただけだったわけです。

当たり前のように思うかもしれないのですが、僕は本気でそれがわかっていなかったのです。

そう気づいて、僕は父に謝罪しました。「僕が間違っていた」と。

次の日、合格発表があったのですが、僕の受験番号は20666でした。父は「666はオーメンと言って、不吉な数字なんだ」と言って、僕はそれに対して「縁起でもないとこを言うな!」と怒ったのは良い思い出です。

それで合格発表をネットで見ることにしたのですが、合格発表の5分前に父が部屋に入って来て「オーメン! オーメン! オーメン!」と叫び出しました

僕は驚いたのですが、父は続けて「合格してたぞ!」と言ったのです。実はその日は合格発表が少し早くなっていて、それに気づいた父がいち早く666の数字を見つけて、叫んで部屋に入って来たのでした。

この話はうちの家庭だと「オーメン事件」として、今でも話のネタになります。

父親との関係って、難しいですよね。僕も今でも悩みます。お互いのことをわかっているようでわかっていなかったり、ボタンのかけ違いで喧嘩になったり、そんなことを繰り返していくのが親子なのかなと思います。

でも、僕はこの経験を経て、お互いがお互いのことを想う気持ちがあれば、なんだかんだでいつかはわかり合えたりするものなのかな、とも思うのです。

西岡 壱誠 現役東大生・ドラゴン桜2編集担当

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にしおか いっせい / Issei Nishioka

1996年生まれ。偏差値35から東大を目指すも、現役・一浪と、2年連続で不合格。崖っぷちの状況で開発した「独学術」で偏差値70、東大模試で全国4位になり、東大合格を果たす。

そのノウハウを全国の学生や学校の教師たちに伝えるため、2020年に株式会社カルペ・ディエムを設立。全国の高校で高校生に思考法・勉強法を教えているほか、教師には指導法のコンサルティングを行っている。また、YouTubeチャンネル「スマホ学園」を運営、約1万人の登録者に勉強の楽しさを伝えている。

著書『東大読書』『東大作文』『東大思考』『東大独学』(いずれも東洋経済新報社)はシリーズ累計40万部のベストセラーになった。

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