「舞いあがれ!」に東大阪出身者が"普通"を望む訳 「普通の東大阪」を描く「普通の朝ドラ」を

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(画像:『舞いあがれ!』公式サイトより)

「あぁ、普通の朝ドラが帰ってきたな」という感慨を持った人が多いのではないか。

『カムカムエヴリバディ』から『ちむどんどん』という、様々な意味でにぎやかな反響のあった2作を経て、「普通の朝ドラ」という世界に帰ってきた感じを受けるのだ――『舞いあがれ!』には。

というわけで、今回の「月間エンタメ大賞」は、この新作朝ドラが、スムーズな離陸に成功した要因を見ていきたいと思う。舞台となる東大阪出身の評論家としての視点も添えながら――。

「舞いあがれ!」のケレン味のない脚本

向かい風を受けてこそ飛行機は空高く飛べる!
さまざまな困難に翻弄される今、
空を見上げて飛ぶことをあきらめないヒロインの物語を通して、
明るい未来への希望を届けます!

公式サイトに書かれている番組紹介。どこをどう突っついても「普通の朝ドラ」のエキスが飛び出してきそうな気配である。変化球が続いてきたので、ここらで一度、ストレートを投げておくかという配球心理が見えてくるような一文だ。

スムーズな離陸に成功した理由として、まず挙げられるのは、この一文に象徴される、ケレン味のない脚本である。

前回記事『「ちむどん」以上に"NHK夜ドラ"最終週に期待の訳』で、私は「つっこまれビリティ」というキーワードを提示した。ネットでの情報拡散が求められるイマドキのエンタメに必要な要素である、いい意味でも悪い意味でもあれこれ言われるための「脇の甘さ」を意味する造語なのだが、『カムカムエヴリバディ』と『ちむどんどん』は、それを十分に備えていた。

そんな前作・前々作に比べて『舞いあがれ!』は、「つっこまれビリティ」が弱い。結果、あまり騒がれず、小さくまとまってしまう可能性も高いと思う。ただ、「そろそろ、そういう朝ドラもいいかな」と思い始めた朝ドラファンも多いのではないか。

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