「ちむどんどん」のイタリア料理が物議を醸すワケ 鶏肉を白ワインで煮込んだ「ボロネーゼ」とは?
現在、放送中の朝ドラ『ちむどんどん』。沖縄本土復帰前の山原(やんばる)の村に生まれたヒロインが貧しいながらも家族愛に包まれて成長し、料理人を目指して上京。イタリア料理のシェフとして頑張っていくという物語だ。
ところが、主人公暢子(のぶこ)がシェフになってから(第30話以降)登場するイタリア料理がひどい! あんなものがイタリア料理と思われては困る! という声が、イタリア料理関係者各位から上がっている。
ボロネーゼ・ビアンコは主人公の発見?
たとえば、第48話に登場する「ボロネーゼ」(正確にはボロニェーゼ)。ボロネーゼとは、北イタリアのエミリア-ロマーニャ州の州都ボローニャの名を冠した「ボローニャ風」という意味。番組で登場したのは、ボローニャ風パスタ料理だったのだが、主人公はこんなふうに言いながら料理を出す。
「普通のボロネーゼは牛ひき肉を赤ワインで煮込んだソースでパスタを和えたものだけど、鶏肉を白ワインで煮込んだほうが軽くおいしく食べられるかなと思って作りました。だからボロネーゼ・ビアンコです」と。
これに異を唱えるのが、イタリア料理文化研究の大家で、日伊協会常務理事も務める長本和子さんだ。
「現在のような、トマトが入った赤いボロニェーゼになったのは100年ほど前だとされています」(長本さん)
ボロニェーゼ、正確にはラグー・アッラ・ボロニェーゼ=ボローニャ風ミートソース。数種類のひき肉を煮込み、手打ちパスタのタリアテッレと合わせるのが代表的な、エミリア-ロマーニャ州の伝統料理の一つだ。この料理があまりにも有名で愛されているため、ボロニェーゼというだけでこの料理を指す場合が多い。
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