朝ドラ「ちむどんどん」の出足が暗黒だった理由 「マッサン」「パッチギ!」の延長としての朝ドラ

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(画像:NHK連続テレビ小説「ちむどんどん」公式サイトより)

これは「ザ・朝ドラ」の復活だな、と思った。

「ザ・朝ドラ」、つまり典型的な朝ドラ(NHK連続テレビ小説)の意。元気はつらつな少女が、逆境に耐えながら、自分の夢を追って大活躍するというポジティブ・ストーリー。

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予告編では、見るからに元気はつらつな女の子が、沖縄の大自然の中、料理に目覚めて、細い手脚をバタバタとさせながら、大笑いしている。

しかし始まってみると、どうも様子が違うのだ。第2週までの感想を一言でいうと「暗黒」。

とにかく不幸、不幸、次から次へと不幸が押し寄せてくるのだ。

ちむどんどん幼少期編は不幸の連鎖

一言でいうと「アメリカ占領下の沖縄で貧困にあえぐ家族の物語」。もともとが借金を抱えた貧しい家族だったが、2週目の冒頭で父親(大森南朋)が死んでしまい、母親(仲間由紀恵)が、工事現場で力仕事をする羽目となる。

それでも家計は立ち行かず、子供に運動靴や体操着も買ってやれない。あげくの果て、いわゆる「口減らし」として、主人公の次女が沖縄を離れることを決意するのだが――。

情報過多の大騒ぎだった『カムカムエヴリバディ』の後、明るくほのぼのとした「ザ・朝ドラ」に戻すかと思っていたのだが、「いやいや、これは一筋縄では行かなそうだ」と思い直し、それでも貧しい家庭に感情移入して、ハマり始めているところなのだ。

今回は、そんな『ちむどんどん』について、いち朝ドラファンの評論家が感じる期待を述べてみたい。

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