「ちむどんどん」のイタリア料理が物議を醸すワケ 鶏肉を白ワインで煮込んだ「ボロネーゼ」とは?

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カルパッチョの元になったといわれる、ピエモンテ州自慢の牛生肉料理「アルバ風生肉のサラダ」(筆者撮影)

たしかに生魚のカルパッチョは、イタリアでも星つき高級店や魚料理専門店など一部のレストランではお目にかかることもあるけれど、一般的な料理とは決して言えない。SUSHIが大ブームとはいえ、それはそれ。生魚を食べるという感性は、普通のイタリア人にはない。

さて、落合務シェフが最初の店を東京にオープンしたのは1982年。日本のイタリア料理の発展に大きく貢献し、現在はイタリア料理協会の名誉会長を務める大御所だ。だから、ちむどんどんの時代、70年代の日本に「生魚のカルパッチョ」は存在していなかったということになる。

ドラマスタッフの時代考証が甘かったということか。そういえば、まだ日本では知られていなかったはずのスパゲッティ・アーリオ・オーリオ・ペペロンチーノを作るシーン(第32話~35話)もあった。

イタリア人もびっくり「白いミネストローネ」

第46話に登場する「ミネストローネ」にも、イタリア料理関係者はイライラさせられた。ミネストローネとは、イタリアの家庭料理の定番で、タマネギ、にんじん、ズッキーニ、じゃがいもなど、いろいろな野菜を切って炒め、スープに仕立てたもの。だがドラマ中、レストランで「ミネストローネ」と客に出されたその料理は、白っぽい液体に細かく切った野菜などが浮かんでいるものだった。

なぜ白? 観ていたイタリア料理ファン全員がそう思ったはずだ。なぜなら本物のミネストローネには、ミルクもバターもベシャメルも入らないからだ。白いミネストローネなんて見たことも聞いたこともない。

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