「夫の蓄えは心の余裕」成婚決めた41歳女性の後悔 「結婚したら生活費はいくらか」問題を考察する

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確かに、よしたかの言うことには一理ある。さとこは、私に言った。

「社会と繋がっていることが大切というのはわかります。だからといって、彼が5万円、私が5万円。まったく稼ぎが違うのに、同じ金額を家計に入れて、それで生活費を回すって、おかしくないですか? それに、1カ月10万円で本当に生活できるのか。冷暖房を使う季節と使わない季節だと、光熱費も変わってきますよね」

さとこもまた実家暮らしで、一人暮らしをした経験がなかった。

「今、親に毎月2万円を食費として渡しているんです。残りは、服や化粧品を買ったり、携帯代を払ったり、外食代にしたりしているんですけど、毎月トントンです。2万円が5万円に増えたら、私自身が好きなものを買えなくなる。ヘソクリもできない。このまま働くのはいいにしても、子どもが生まれたら思うように働けなくなるし、自分の貯金をすり減らしていく生活って、すごく不安になると思います」

さとこが言っていることもわかったので、「その辺りのことをよしたかさんにざっくばらんに話をして、家計に入れる金額を今と同じ2万円くらいにしていただいたらいいんじゃないの?」と、私はアドバイスした。

後日、さとこから連絡がきた。「よしたかさんとは、やっぱり交際終了にします」。

彼と腹を割って話したそうだ。よくよく話を聞くと、よしたかは年収は1500万円あるものの、新型コロナの影響で持っていた株が暴落し、かなりの損失額が出てしまった。今後の生活を考えたら今の年収からかなりの金額を貯蓄に回していかないと、老後が不安になる。女性には働いてもらい、2人で力を合わせて、堅実に暮らしていきたいとのことだった。

「なんか私が理想としていた結婚と違っていました」とさとこは話した。

ただ、これは女性たちに言いたいのだか、今の時代は先行きが不透明だ。結婚を永久就職と考え、男性の稼ぎだけで暮らしていける時代ではない。実際、専業主婦希望の女性は、男性から結婚相手として選ばれなくなってきている。さとこのような結婚観を持っていると、お相手選びが難しくなるのだ。

金銭感覚の違いで即離婚

最後は、結婚してみたものの、金銭的感覚の違いから10カ月で離婚したカップルの話だ。しずか(41歳、仮名)は、同い年のたつお(仮名)と、結婚相談所で出会い、1年前に成婚退会していった。

たつおは、メーカー勤務で年収が500万円。両親は既になくなっており、遺産を受け継いだようで、4000万円の貯金があった。また、毎月ローンは支払っていたが、分譲マンションを持っていた。

成婚退会直前に、しずかはこんなことを言っていた。

「お付き合いしているときはデート費用をすべて支払ってくれていたし、ケチケチしていた印象はなかったんですけど、結婚が決まったら、急にお財布の紐が固くなりました。ただ私もお金には堅実なほうだし、贅沢三昧の生活をするのは性に合わない。しっかりと働いていくし、2人で力を合わせて生活していければと思っています」

そして、こうつけ加えた。

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