見合いで仲人に甘える66歳男性
みつえ(56歳、仮名)は理系の大学を卒業後、大手企業の総合職として、第一線で働いてきたバリキャリだ。20代、30代と恋愛もしてきたし、40代半ばまでは恋人もいた。だが、それらが結婚に至ることはなかった。
「40代後半になると、普通に生活していたら出会いなんてまったくなくなるんですよ」
入会面談で、みつえは言っていた。恋人と別れてからは1人の気楽さも快適で、ワイン教室に通ったり、趣味の歌舞伎を見にいったりと、悠々自適に暮らしてきた。ところが、コロナになって改めて1人の寂しさを思い知らされたという。
「このままだと、行く末は孤独死かもしれない」。切実に結婚したいと思うようになり、結婚相談所の門を叩いた。
面談で私は、50代、60代の結婚再婚事情を説明した。
「50代、60代の結婚、再婚の傾向を見ると、男性は、自立してちゃんと稼ぎのある女性を求める傾向にあるんですよ。50代の男性には60歳の定年がもう見えている。再雇用で65歳まで働くにしても、給料は大幅に下がる。その後の年金も少ない。そうした未来を見据えると、女性のお金もあてにしたくなるんです」
お金は、生きていくパワーだ。稼げているうちは、強気にもなれる。しかし、年老いて稼げなくなると、その気持ちがしぼんでしまう。経済力のない女性を支えていくのは男としては不安。しっかりと自立して仕事をしてきており、堅実に貯蓄をしている女性と、2人で力を合わせて生活していけたらと思うのだろう。
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