しかしそんな中で、僕は今、自分よりも何倍も頭のいい東大生たちを40人以上抱えた株式会社カルペ・ディエムを経営しています。設立して3年で、北は岩手県の公立高校、南は長崎県の私立高校まで、全国20校以上の学校と提携し、年間100回以上のワークショップを実施しているのです。
「東大生より頭がよくない」という才能
これは、僕の中で1つの発想の転換があったから実現していると思っています。それはなにかというと、「自分には『99%以上の東大生より頭がよくない』という才能があるんじゃないか」ということでした。
「東大生より頭がよくないという才能」と聞いても何を言っているかわからないと思うのですが、これは僕の経験から学んだことです。
僕は1年生のときに、本を出版することになりました。「僕は偏差値35から東大に合格したわけだから、自分の勉強法には価値があるんじゃないか」と思ったのです。その本は『現役東大生が教える「ゲーム式」暗記術』というタイトルなのですが、一定の冊数は売れたものの、正直大きなヒットではありませんでした。
「やっぱり自分は本を書く才能もないし、勉強法を考える才能もないのかな」なんて思っていたのですが、そんなときに転機が訪れます。
ひょんなことから、「東大生の友達と一緒に、中学生の前で勉強法を話す」というイベントを実施することになったのです。友達の東大生は現役で東大に合格したすごく頭のいい子だったので、「僕はあんまり役に立たないだろうな」と思いつつ、そのイベントに臨みました。
しかし、友達の東大生が話した勉強法がかなり難しい内容で、中学生の子たちの反応が良くなかったのです。「言っていることはわかるけど、けっこう難しいな、自分には実践できないな」と思っていることが丸わかりの反応でした。
だから僕は、たまらず「彼が話している勉強法は、こういう意味だよ!」「こんなふうにやれば具体的に実践できるよ!」と、もっと具体的にして、理解しやすいように説明しなおしたのです。そうすると、中学生の反応が非常によくなって、「なるほど! それはやってみたい!」と口々に言い出すようになり、イベントは大成功したのでした。
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