東大生社長「偏差値35でよかった」と語る納得理由 僕には「東大生より頭が悪い」という才能がある

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最近では、『ドラゴン現代文』という参考書を作りました。東大模試で1位を取ったことのある東大生の国語の勉強法を、『ドラゴン桜』の漫画を使いながら、参考書という形で世の中に発表したのです。これも、「すごい人のやり方をわかりやすくする」仕事だと思っています。

「才能」という言葉の定義

さて、最初に僕は「本当の天才以外は、東大に行ってもしょうがない」という言説を紹介しましたが、実はそんなことはないんじゃないかと思うのです。

東大模試で1位を取るような人もいれば、僕のような偏差値35から2浪して東大に合格する人もいる。都会出身の人もいれば、地方出身の人もいる。そんなふうに、多様な人が集まっているからこそ、生み出せるアイデアや、深まっていく学問もあるんじゃないかと思うのです。

その上で、僕らは「才能」という言葉の定義を間違っているのではないかと思うのです。才能はただの頭のよさではなく、個人の素質そのもののことであり、どんな人の、どんなことでも「才能」になるのではないでしょうか。

僕は「天才じゃない」からこそ「できない側に立って話ができる」という才能がありました。地方から苦労して東大に合格した人は「情報が少ないところからでも、自分で勉強法を組み立てて努力することができる」という才能があるのだと思います。

そんなふうに、いろんな才能があっていいし、いろんな才能を持った人間が集まる場所にこそ、価値が生まれるのではないでしょうか。

ですから僕は、多くの人が自分の才能に気づいて努力すれば、必ずその努力は開花すると信じています。もし「努力しても結果が出ない!」と嘆く分野があるのだとしても、それはそれで「できない側の気持ちがわかる」という才能につながるかもしれませんし、そのまま努力を続ければ「結果が出ない中でも頑張る」才能があることになるかもしれないのです。

ということで、みなさんももっとのびのびと、自分と向き合ってみてもいいのではないでしょうか。「自分にはこれができない」と嘆くのではなく、それはそれとして自分の個性として受け入れて、「それも才能なのかもしれない」とポジティブに考えるようにすると、見えてくる世界は変わってくるかもしれません。

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