「スプラトゥーン3」爆売れだけど残念感も漂う訳 次回作に向けた試練のナンバリングになる可能性

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もちろん、2と比べて3がまったく進化をしていないわけではない。とくに強く進化を感じるのはサーモンランで、ルール自体は金イクラを運ぶという2と同じだが、さまざまなオオモノシャケやギミックの追加、そしてオカシラシャケ「ヨコヅナ」の登場など、3にふさわしい、やり応えあるバージョンアップを達成している。

ナワバリバトルやバンカラマッチについても今後、ルールやブキなどもどんどん追加されていくであろうことから、今はまだスプラトゥーン3というゲームを必要以上に悲観する必要はない。

期待されるさらなる変化

ただ、今はまだ2との違いは小さく、さらなる変化が期待されている。期待されているからこそ、今後のアップデートで新しい遊びをユーザーに示すことができなければ、期待はやがて失望に変わってしまうだろう。

スプラトゥーン4が出るころには、任天堂ハードもSwitchから次世代機に移行するに違いない。もしかすると次世代機のローンチタイトルとして、スタートダッシュの形勢を期待されるかもしれない。間違いなくスプラトゥーンシリーズにはそれだけのポテンシャルがある。それだけに、2まで積み上げた実績を、3で失望に変えるわけにはいかないのである。

3はその華麗なスタートダッシュを遂げたが、次回作に向けた試練のナンバリングとなるだろうと、僕は予測している。

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赤木 智弘 フリーライター

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あかぎ ともひろ / Tomohiro Akagi

1975年栃木県生まれ。2007年にフリーターとして働きながら『論座』に「『丸山眞男』をひっぱたきたい――31歳、フリーター。希望は、戦争。」を執筆し、話題を呼ぶ。以後、貧困問題などをテーマに執筆。主な著書に『若者を見殺しにする国 私を戦争に向かわせるものは何か』『「当たり前」をひっぱたく 過ちを見過ごさないために』などがある。

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