1つ気づいたこととして、縦長のステージが増えたことも、3の特徴といえるだろう。縦長のステージが増えるとどうなるか。
戦場の横幅が狭まるので裏取りの要素が減り、相手と正面から遭遇しやすく、撃ち合いが増えるようになる。これによりゲームが始まったらまずは4人で前線を確保し、それを維持しながら塗り面積を増やし、隙があれば相手側に少しずつ前線を押し込んでいくというゲーム性になる。
縦長のステージで倒されてしまうと、リスポーン(復活)地点から前線までの距離が遠く、復帰に時間がかかる。その間に味方は人数的不利を強いられるので、いかにしっかりと前線に居座って生き残り、相手を牽制し、隙あらば倒していけるかが重要となる。
つまり、相手を撃ち倒すことや、自分が倒されないことが重要となることで、eスポーツとしての競技性が高まるのである。
カジュアルさと競技性がどうにもチグハグ
その一方で、3が競技性に完全に振りきっているかといえばそうではない。競技性が高いTPSでは相手をキルした回数と、相手からやられた回数の比率から割り出されるキルレートがプレーヤーの強さを示す重要な指標となるが、スプラトゥーンシリーズでは2以降はキルとデスの数は意図的にリザルト画面の奥に追いやられている。
僕はこれを「あまり倒した倒されたを気にせずにカジュアルに遊んでほしい」という制作者側の意図だと読んでいるのだが、実際のバトルは競技性の高いものになっているのだから、どうにもチグハグである。
そもそも「相手と撃ち合いながら前線を維持する」というTPSによくあるゲーム性は、バンカラマッチの「エリア」が担っている部分のハズだ。
ゲーム的にはナワバリバトルはカジュアルに、バンカラマッチはガチガチに、というゲームデザインのはずだが、実際には縦長のステージで行うナワバリバトルは、あまりカジュアル感のないものになってしまっているのが残念である。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら