真・女神転生Ⅴ「傑作」が残した只1つの惜しい点 もっと「東京が舞台」という設定を活かせたはず

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話題の新作ゲーム『真・女神転生Ⅴ』の魅力を徹底解説(写真:My Nintendo Store販売ページより)
物心ついたときからゲームと付き合い続けてきた筆者が、その長いゲーム歴から最新作から過去の名作までを掘り起こして語り尽くす本連載。今回取り上げるのは、30年以上愛され続ける人気シリーズの最新作『真・女神転生V』(対応ハードはNintendo Switch)。なかなか飽きがこないゲームシステムの魅力から、惜しい点までを余すことなく紹介していく。

主人公は品川駅近くの学校に通う普通の高校生。最近は何かと物騒で、近くで通り魔事件が発生し、学校でも「黒い影に襲われた」などの奇妙な噂が流れていた。

主人公は寮に帰ろうとするが、品川駅の連絡通路は何らかの事件が起きて通行止めになっており、寮のある駅の逆側に渡れない。別行動を取った友人を探すため、駅から離れたガード下に向かうのだが、そこで運悪くガードの崩壊に巻き込まれてしまう。

ふと気づくと、崩落に巻き込まれたはずが、砂だらけ土地にビルの廃墟が並ぶ場所にいた。崩落したはずのガードは残っているのに、外の景色に見知った品川の面影は全くない。すると今度は悪魔のように奇妙な生き物が主人公に迫ってくる……。

主人公は特殊な力を使い、天使や悪魔を「仲魔」として率いながら、元いた世界に戻るために「魔界」を旅をすることになる。果たして元の世界に戻れるのか。そしてその先で知ることになる、この世界の真実とは……というのが本作のストーリーの入り口である。

ペルソナと比べて陰鬱とした「女神転生」シリーズ

最近はすっかり別ラインでペルソナシリーズのほうがアニメ化などで有名になってしまった感のある真・女神転生シリーズ。もし前者のファンが「同じ女神転生シリーズだから」と思って、Vをプレイすると、かなり面食らうのではないだろうか。

ペルソナシリーズは異世界を戦いの場としながらも、日常の生活空間は基本的には平穏なので、部活動や学校生活といった、主人公や仲魔やサブキャラたちの日常もしっかりと描かれる。

これに対して真・女神転生シリーズは、主人公たちの生活環境がまるごと異世界に巻き込まれてしまうために、彼ら彼女らの日常は消え失せ、戦いの中で生きるしかなくなってしまう。

結果として、ペルソナシリーズが青春群像劇的な、問題を抱えながらもカラッとした明るい空気になる一方で、真・女神転生シリーズは天使と悪魔が対立し、人間たちはそこに否応なしに巻き込まれていくという、陰鬱とした空気がゲーム中漂い続けることになる。

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