「スプラトゥーン3」爆売れだけど残念感も漂う訳 次回作に向けた試練のナンバリングになる可能性

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スプラトゥーンは単純な撃ち合いだけではなく、床を塗る面積を競うというルールにより、撃ち合いが決してうまくなくても、それなりにチームの勝利に貢献できるという、それまでのTPSにはなかった新しいゲーム性で話題を呼んだ作品である。そうしたハードルの低さがTPSのコアユーザーだけでは達成できないような爆発的な売り上げを支えている。

しかし今の縦長のステージでは、初心者が「撃ち合いが苦手だから」と、最初から床を塗りに回れば、チームの人数的な不利から前線が崩されてしまい、戦犯(チーム敗北の要因)と認識されてしまいかねない。

制作側からすれば「ユーザーの好みを取り入れる」という認識で、少しずつ競技性を高めていると考えているのかもしれない。しかし僕から見れば、数ある普通のTPSにゲーム性が寄ってしまったことにより、これまで培ってきたスプラトゥーンシリーズとしてのアイデンティティを喪失しつつあるように思えてしまうのである。

ナワバリバトルは6人チームにしてもらえないか

ナワバリバトルについて1つ提案がある。これからも縦長のステージで競技性を高める方向性で行くのであれば、ナワバリバトルを現在の4人チームから6人チームにしてもらえないだろうか。

4人チームというのは、1人の責任がチームの25%と負担が大きく、1人倒されたときの戦力低下は明らかである。有利だった戦局が一気に不利に変わったと思ったら、誰かがやられていたなんて経験は珍しくない。

チームの人数が増えれば1人当たりが負う責任は減り、たとえ誰かがやられても、「3対4」ではなく「5対6」となり、人数的な不利具合は軽減する。人数も増えることで、真剣な撃ち合いよりも大人数でのわちゃわちゃ感が大きくなり、スプラトゥーンシリーズのイメージに沿ったプレー感になるはずだ。

慣れたプレーヤーにとっては自分の腕前がゲームの勝敗に直接的に関与しづらくなり、理不尽に思うことが増えるかもしれないが、そもそもそうしたプレーヤーは、よりシビアなバンカラマッチに挑むべきなのである。

次ページもちろん3で進化した点もある
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