「天神と博多」で同時に大規模再開発が進む背景 2大プロジェクト進行中、福岡市中核部の今

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福岡市を代表する景観、夜の中州の様子。那珂川の右側が天神地区。左奥が博多地区となっている(筆者撮影)

福岡市の中核エリアである天神と博多で「100年に1度」と言われる再開発プロジェクトが行われている。

同エリアは、西鉄福岡(天神)駅(および市営地下鉄の天神駅)と、JR博多駅のある周辺部で形成されている。両駅間は徒歩でも30分もあれば移動でき、その間には九州一の繁華街・中州がある。屋台が建ち並ぶそのあたりの光景は、国内の他都市とは異なる、どことなくアジアンチックな雰囲気を感じさせる。

両駅周辺には県や市の関連庁舎、国の行政出先機関、地元や全国企業のオフィスや商業施設、ホテルなどが多数ある。空の玄関口である福岡空港には地下鉄を利用することで天神駅であれば20分弱、博多駅なら15分弱でたどり着ける。

天神・博多の「歴史的再開発」

その利便性の高さなどにより福岡市は近年、市外・県外、さらに海外の人たちにも高く評価されるようになってきた。例えば「日本を代表するコンパクトシティ」と呼ぶ人もいる。今、この2つのエリアにおいて進行している「再開発」が、天神では「天神ビッグバン」、博多では「博多コネクティッド」と称するプロジェクトである。

天神ビッグバンの中心地、天神交差点の様子。左のビルがプロジェクト第1号物件として営業を始めている「天神ビジネスセンター」(筆者撮影)

ただ、実は再開発の規模は他の大都市圏、例えば東京や大阪などにおけるそれとは比べるべくもない。そうでありながら、歴史的と称されるのはなぜなのだろうか。本稿ではそんな視点を持ちながら両地区の再開発と福岡市の今について紹介したい。まずは、プロジェクトそれぞれについて基本的な事項を確認しておく。

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