対人関係で失敗する人はユーモアをわかってない 4つのタイプで整理する「人のおもしろさ」の深み

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状況や相手によって、タイプは変えられるのだ。それどころか、むしろ変えるべきなのだと著者は主張している。ユーモアを効果的に使うコツのひとつは、空気を読んで、その場にふさわしい態度や話し方に切り替えることなのだと(いわば、ずいぶん前に流行った“KY”とは正反対のスタンスだ)。

<たとえば、スタンダップとスナイパーは、親しみを込めて相手をからかったりするが、やりすぎてしまった場合、彼らのジョークはマグネットやスイートハートをドン引きさせてしまうことに、本人たちは気づかないことがある。
スタンダップやスナイパーが大勢の人を味方につけるには、手加減をすべきタイミングを見極めるのが重要だ。いっぽう、マグネットとスイートハートは、相手をもち上げようとして自分を低く見せるが、あまりにも卑下しすぎると、スタンダップやスナイパーの目には情けなく映るだろう。>(53〜54ページより)

かように、ユーモアのタイプは固定的なものではないのだ。「なにをおもしろいと感じるか」「どのようにユーモアを発揮するか」についての好みや傾向など、自分のタイプを認識するだけでなく、大切なのは「どんなときにタイプを切り替えたほうがよいか」に気づくこと。そうすることで、対人関係において大きな効果が生まれるわけである。

ユーモアを活用してみる

話は戻るが、先述したとおり源氏鶏太はユーモアを「何んとなくうら悲しくて、おかしいことである」と定義づけている。そして人間とは結局、「何んとなくうら悲しくて、おかしな存在」なのだとも述べている。

<人間は、どんな地位にあろうが、どんな境遇にあろうが、すべてそうである。そのように思って眺めると、いつも大威張りでいる政治家も、ワンマン社長も、街のゴロツキも、猛妻も、ライバルも、そこにおかしみと悲しみが感じられてくる。第三者的に眺められる余裕を持つことが出来る。それがユーモアである。>(「ユーモアのない一日」より)

だからこそ、自分のタイプを認識し、状況や相手によってそれを切り替えながら向き合うことが大切なのだ。ちょっとの勇気を出して、ユーモアを活用してみるのだ。そうすれば、違ったタイプの相手とのコミュニケーションも円滑になる可能性があるのだから。

なにしろ人間はみな、「何んとなくうら悲しくて、おかしな存在」なのである。

印南 敦史 作家、書評家

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いんなみ あつし / Atsushi Innami

1962年生まれ。東京都出身。広告代理店勤務時代にライターとして活動開始。「ライフハッカー・ジャパン」「ニューズウィーク日本版」「サライ.jp」「文春オンライン」などで連載を持つほか、「Pen」など紙媒体にも寄稿。『遅読家のための読書術――情報洪水でも疲れない「フロー・リーディング」の習慣』(PHP文庫)、『いま自分に必要なビジネススキルが1テーマ3冊で身につく本』(日本実業出版社)『「書くのが苦手」な人のための文章術』(PHP研究所)、『先延ばしをなくす朝の習慣』(秀和システム)など著作多数。最新刊は『抗う練習』(フォレスト出版)。

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