「I can't speak English」日本人がやたら言う訳 「英語が話せない」と思う人は経験が足りない

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日本人には「私は英語が話せない」と思っている人が大勢います。「アイキャント症候群」を治すためには、「英語ができる/できない」という意味をもう少し深く考える必要があります。

なぜなら、英検で3級程度しか持っていなくても英語が話せる人もいれば、反対にTOEIC試験で900点を超すようなハイスコアを持っているのに全然話せないという人もいるからです。

英語が話せないと思っている人は…

ここでぜひ「客観的な指標」と「主観的な評価」の2つに分けてみることをオススメします。TOEICスコアや英検の級数などは、客観的な指標だと言えます。しかし本当に大切なのは、「私は英語ができる/話せる」などと自分自身で思えるかどうかであり、それは極めて主観的な評価なのです。

「英語が話せない」と思っている人は、英語を話す機会があっても避けてしまうでしょう。その結果、経験値を積むことができず、上達が得られづらくなります。逆に、英語を話すことに対して心理的な抵抗感がない人は、生活の中でどんどん英語を使うことにより、着実に経験値を積み、会話力をアップさせられます。

つまり、問題の本質にあるのは、主観的な評価として「できる」と思うのか、それとも「できない」と思ってしまうのか─という違いです。

客観的にどう評価されようが、他人がなんと言おうが、最終的には自分で自分の英語力を認められるかどうかという主観が全てを決めるのです。特に「できない/知らない/話せない」などと否定的に思ってしまうと、上達の足枷になってしまいます。

でもここで、「自分は英語ができる/話せるとは、まったくもって思えない」という反論が聞こえてきそうです。確かに、カタコトレベルで単語しか出てこなかったり、すぐに言葉に詰まってしまったりするようであれば、「英語が話せる」とはお世辞にも言えないと感じるかもしれません。

(出所:『英語の学習つまずき 50の処方箋』)

そこでご覧いただきたいのが、上図です。「英語が話せる/話せない」と一口に言いますが、実際には8段階くらいで捉えるべきだというのがイングリッシュ・ドクターとしての私の見解です。

(※⑦と⑧は便宜的にこの順番に並べましたが、実際はどちらが上ということはありません)

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