子どもが勉強に向かう「10秒アクション」の威力 「まず動く」ことでやる気は後からついてくる

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また、「時間と場所を固定する」方法もお勧めです。たとえば、我が家の中学生の息子は、勉強しなければならないときには、自分なりに集中しやすい時間帯に、スマホを家に置いて図書館や有料自習室などに行くようにしていました。

「図書館では勉強する」といように、「同じ場所で同じことをする」ことにより集中できる効果を、心理学の世界では「アンカリング(条件付け)」と呼んでいます。

この条件反射状態をつくるためにも、行き当たりばったりではなく、「この場所では、この勉強をする」と決めて可能なかぎり実行してみましょう。

やる気があろうとなかろうとアクションを起こす

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「よし!勉強しよう!」というやる気があろうとなかろうと、とにかくその時間になったら家を出て図書館に向かってしまう。

そのアクションを起こすことで、やる気も後からついてきます。もちろん、これは家の中でもできます。「勉強机の上では勉強以外しない」「単語を覚えるのはリビングテーブルのこの椅子で」など、家の中をいくつかのエリアに分けて考えればいいのです。

いかがでしょう。これらの「やる気」スイッチを入れるテクニックは子どもに限らず大人にも有効ですので、ぜひ親子で取り組んでみてください。

大平 信孝 メンタルコーチ

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おおひら のぶたか

株式会社アンカリング・イノベーション代表取締役。メンタルコーチ。中央大学卒業。長野県出身。会社員時代、自身が部下育成に悩んだ経験から、脳科学とアドラー心理学を組み合わせた、独自の目標実現法「行動イノベーション」を開発。部下育成のためのメソッド「行動イノベーション・トーク」を広めるべく、「行動イノベーションアカデミー」を運営。これまでサポートしてきた企業は、IT、通信教育、商社、医療、美容、小売りなど40以上の業種にわたる。主な著書に、『本気で変わりたい人の行動イノベーション』(秀和システム)、『先延ばしは1冊のノートでなくなる』(大和書房)、『指示待ち部下が自ら考え動き出す!』(かんき出版)など。

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