「ストレスまみれの仕事」乗り切る意外すぎる秘技 困難を乗り越えるのに役立つ知られざる力

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8週間後、さまざまなユーモアのスキルを学んだグループの人たちは、うつ状態の症状が減って、ストレスが和らぎ、ポジティブな感情のほうがネガティブな感情よりも増えたと報告した。さらに、感情をコントロールできるという認識も有意に高くなっていた。

笑いは健康をもたらし、寿命を延ばす

笑いは最良の薬だ(実際には、薬がいちばん効くだろう。だが笑いは、大量の薬を必要とする状態を避けるのに役立つ)。

笑うと血流が増え、筋肉の緊張が緩むだけでなく、心疾患にかかわる動脈壁硬化が緩和されるなど、生理学的な効果がもたらされる。

映画『パッチ・アダムス』から着想を得た、マーティン・ブルーチェらによる研究では、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の患者たちが道化師によるショーを楽しんだところ、肺機能の向上が確認された。

嘘のようで、本当の話なのだ。

それでも、納得できない?

では、永遠に生きられるとしたら?

まあ、永遠は言いすぎだが、ユーモアのセンスと寿命の長さには相関関係があることが、実際に研究によって明らかになっている。ノルウェー科学技術大学による5万人超を対象とした15年間の縦断研究によって、ユーモアのセンスが豊かな人びとは、男女ともに、持病があったり感染症にかかったりしても、長生きすることが明らかになった。

具体的には、ユーモアをよく使う女性たちは、あらゆる原因による死亡リスクが48%低く、心臓病による死亡リスクが73%低く、感染症による死亡リスクが83%低いことがわかった。

いっぽう、ユーモアをよく使う男性たちは、感染症による死亡リスクが74%低いことが明らかになった。

これでおわかりだろう。ユーモアは私たちのパワーを高めるだけでなく、まわりの人たちもうきうきした気分にさせる。

ユーモアは人と人との有意義なつながりを育み、創造力を解き放ち、緊迫した状況においてもストレスを和らげる。そして私たちが、人生の浮き沈みを乗り越え、成長するために役立つのだ。

(翻訳:神崎朗子)

ジェニファー・アーカー スタンフォード大学ビジネススクール教授、行動心理学者

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Dr. Jennifer Aaker

スタンフォード大学ビジネススクールのゼネラル・アトランティック・プロフェッサーで行動心理学者。目的と意義が個人の選択に及ぼす影響や、テクノロジーが人間の幸福や企業の成長にプラスの影響をもたらす可能性に関する研究の第一人者。博士の研究は『エコノミスト』『ニューヨーク・タイムズ』『ウォールストリート・ジャーナル』『アトランティック』『サイエンス』などの主要紙誌でも紹介されている。Distinguished Scientific Achievement Award(科学部門顕著業績賞)、MBA年間最優秀教授賞などを受賞。

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ナオミ・バグドナス スタンフォード大学ビジネススクール講師、エグゼクティブ・コーチ

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Naomi Bagdonas

スタンフォード大学ビジネススクール講師、エグゼクティブ・コーチ。組織のリーダーやフォーチュン100社、非営利組織などに向けたインタラクティブなセッションを促進し、エグゼクティブやセレブリティが『サタデー・ナイト・ライブ』や『トゥデイ』等の番組に出演する際の指導も行っている。〈アップライト・シチズンズ・ブリゲード・シアター〉で正式なトレーニングを受けたバグドナスは、劇場の舞台に立ってコメディーを実演し、サンフランシスコ郡刑務所では、レジリエンスを高めるための即興コメディーを教えている。

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