デジタル給与が本格スタートするまでに、こうした細かい補償条件についても詰められるだろう。利用者側も内容をよく知っておかなくてはならない。
デジタル給与化で企業側の手間は増える
デジタル給与が選択できるようになれば、参入するスマホ決済事業者は受取口座に登録したユーザーにポイントを提供したり、そこから貯蓄や積み立て投資の設定をした場合にさらにポイント付与等のキャンペーンを打ってくるのではと想像できる。
特に、デジタル世代を囲い込むには絶好の機会となるだろう。金融サービスと連携したポイント還元競争は、さらに熾烈なものになりそうだ。
給料振り込みの一部を奪われそうなレガシー銀行たちはどう立ち向かうのか。
例えば、デビットカードやスマホデビットに力を入れ、キャッシュバックやポイント還元率を上げるキャンペーンなどはありうる。それより自分たちは住宅ローンなどで稼げばいいと、様子見を決め込むかもしれない。
とはいえ、デジタル給与を導入するか否かは、そもそも勤務先が動かなければ始まらない。通常の銀行振り込みに加え、デジタル給与口座への振込作業が二重に発生すれば、手間が倍になることは確かで、そのぶん時間とコストがかかるだろう。
慣れないうちはアプリ側への振り込みミスもないとは言えない。企業にさらなる事務コストが発生するなら本末転倒だ。そのあたりも整理されるべきだろうし、そこにコストをかけるくらいなら1円でも給料を上げてくれよ……という労働者からのぼやきも聞こえてくる気がするのだが。
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