なぜ瞬間蒸発「全国旅行支援」は本当にトクなのか 私たちは「トクする権利」に煽られている

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「全国旅行支援」が始まって初の週末を迎え、観光客でにぎわう大阪・道頓堀=15日午後、大阪市中央区(写真:時事通信)

「全国旅行支援」瞬間蒸発の異様

「混乱」という声ばかり上がるのが、10月11日(東京は20日)からスタートした「全国旅行支援」だ。

旅行代金の40%の割引が受けられる観光需要の喚起策。新型コロナ蔓延により中止に追い込まれた「GoToトラベル」がようやく再開したのだと、のんきに構えていた人は度肝を抜かれただろう。

スタート当日には予約サイトにアクセス集中、挙句の果てには「受け付け終了」「割り当て分が終了」という文言が飛び交い、唖然とした人も多いだろう。ようやく実施にこぎつけた観光支援策が、開始早々終了はないだろうと笑えて来る。追加支援も準備中というが、これでは争奪戦に参戦する気も萎えてくる。

なぜこんなことが起きたのか。原因はいくつかある。まず、国か一括管理していた「GoToトラベル」とは異なり、今回は各都道府県が主体となっていることが大きい。なにせ自治体ごとに愛称がついていて、「HOKKAIDO LOVE! 割」(北海道)、「ただいま東京プラス」(東京)、「いいじゃん、あいち旅キャンペーン」(愛知)、「“日本中から”大阪いらっしゃいキャンペーン2022」(大阪)、「おきなわ彩発見NEXT」(沖縄)とバラバラ。

名前は違えど支援内容は同じで、交通付き旅行商品の場合、1人1泊8000円まで、宿泊のみ・日帰り旅行は5000円まで、代金の40%に当たる額を割り引いてくれる。それに加えて、クーポンが平日なら3000円分、休日なら1000円分受け取れる。

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