「暴発する秋の食欲」意外な原因が隠れている事も 食べすぎを予防する養生法とツボ2つを紹介

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もちろん、だからといって、急にたくさん食べるのはよくありません。夏に弱った胃腸は、まだその働きを回復できていません。弱った胃に大量に食べ物が入ると消化が追いつかず、十分に栄養を取り込めません。十分に気を作ることができず、夏ばてから秋ばてに移行していってしまいます。

秋の食欲の暴発は、夏の栄養不足を取り戻そうとすることも要因の1つですが、間違った食習慣による過食もあります。

コロナ禍で体重が増えた人の話を聞いてみると、“テレワークや自粛生活で出勤や外出がなくなり、運動量が減った。そのうえ、楽しみが家の中で手軽にできる食べることになった結果、体重が増えてしまった。太りつつあることは何となく自覚していたけれど、体重計に乗るのが怖くなり、体重はずっと計らないでいたら、気づくと10kg近く太ってしまった”というパターンが多いです。

1度や2度、食べすぎたくらいでは太ることはないのですが、毎日継続的に食べすぎていれば当然、太ります。特に秋は胃の働きも活発になるので、余計に太りやすいと言えます。

余談ですが、同じ食べすぎでも体重が増えにくい、いわゆる「やせの大食い」タイプはもっと厄介です。まず食べすぎに気づきにくいですし、消化しきれない食べ物は「瘀血(おけつ:血の循環が滞った状態)」や、「痰飲(たんいん:未消化の飲食物から作られる老廃物)」を作り、思いがけない症状につながりやすいからです。

スイーツの食べすぎはダメ

食べすぎで問題になるのは量だけではありません。食べ物の種類も影響します。特にスイーツの食べすぎはもっともいけません。

コロナ禍で、以前は食べなかった甘い物を食べる習慣ができてしまった、という人も多くいらっしゃるようです。砂糖を継続的に取りすぎていると、血糖値が下がりにくくなります。体がだるく、疲れが抜けにくくなるのですが、糖を取ると一時的に元気になるので、また甘い物が欲しくなります。甘い物は体に水を溜め込む性質があるので、水はけが悪くなって、体重が増えるという人もいます。

私たちの脳には、危険な物質が入ってこられないような仕組みがあります。「血液脳関門」というものですが、糖は脳の栄養でもあるので、その関門を容易にすり抜けることができます。脳に直接作用するという意味ではドラッグと似ていて、甘い物を食べると幸せを感じるのです。

また、糖質が多いものを過食していると急激に血糖値が上がったり降下したりしますが、これも糖質の取りすぎを加速させます。甘い物を食べたい気持ちが増していくからです。

このような場合、甘い物、糖質をいくら取っても食欲は満たされず、食べたい欲求は増したままになります。なぜなら、甘い物だけでは必要な栄養が満たされず、その栄養が補われるまで食欲は止まらないからです。

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