原油安で大打撃!丸紅と住友商事を分析する

資源価格急落で、商社の先行きはどうなる?

一方で、市場は中国をはじめとして、新興国の成長鈍化などから世界的な原油の供給過剰が続いていました。そういった中、石油輸出国機構(OPEC)総会で減産の有無が審議された時、サウジが「ここで減産すれば、シェールオイルにシェアを奪われる」と猛反発したのです。

そして、シェールオイルの産出が増えると、サウジを含むOPECの「石油市場をコントロールする力」が落ちることにも繋がります。サウジはこれを阻止したいという思惑もあります。

二つめは、過激派組織「イスラム国」やイランへ流れる資金を減らすことです。彼らの資金源は原油です。もし原油価格が高止まりしていますと、その利益で、武器の輸入が増えたり、イランでの核開発が進む恐れがあります。サウジや近隣諸国の体制維持、そして中東の安定のためにも、こうした動きを防ごうとしているのです。

三つめは、米国の中東への関心を維持させることです。もし、このままシェールオイルの生産量が増え続けますと、米国が自国だけでもエネルギーを賄えるようになってきます。すると、米国はエネルギー資源の中東への依存度が低下するわけです。

米国と友好関係を結ぶサウジとしては、こうした状況に至ることを非常に恐れています。サウジの周辺には、米国と敵対関係にあるイスラム国、核開発問題を抱えるイランがありますから、彼らを牽制するためにも米国の存在は絶対に必要です。米国の関心が薄れれば、中東情勢が不安定になる恐れがあるのです。

また、原油価格の下落は原油に経済を大きく依存するロシアにも影響を与えます。ロシアはイランを支援しており、またウクライナ情勢においても、原油安はロシアへのけん制となるのです。

以上のような理由から、サウジは供給過剰だと分かっていても、原油価格を当面はある程度下げておきたいと考えているのです。

ただ、あまりにも価格が下がり過ぎてしまいますと、今度はOPECの協調が乱れてしまいますし、産油国経済にも悪影響を与えますから、そろそろ底を打っているという印象です。また、イスラム国の問題やイランの問題にある程度、解決の目処が立ってきますと、サウジとしては安い石油を売り続ける必要がなくなりますから、減産して価格が戻っていくと考えられます。

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