原油価格の急落が、関連企業の業績を圧迫しています。2〜3年にわたって1バレル100ドル前後の水準で安定していた原油価格が、昨年7月から急速に下落し、現時点(2月26日現在)でドバイ原油は、1バレル50ドル台後半で推移しています。
総合商社や石油元売りでは、原油価格が下落した分、石油在庫や石油事業にかかる固定資産の価値が目減りし、巨額の損失が発生しています。また、価格が下がっているのは原油だけではなく、資源全般に及んでいるため、数多くの資源を取り扱う総合商社では、特に大きな影響を受けているのです。
今回は、大手総合商社の丸紅と住友商事の最新決算を見ながら、現状と先行きについて考えてみたいと思います。
資源安で巨額の評価損を出した丸紅
まずは、丸紅の平成27年3月期 第3四半期決算(2014年4〜12月)から見ていきましょう。
損益計算書(10ページ参照)から業績を調べますと、売上高にあたる「収益合計(国際会計基準基準)」は、前の期より15.1%増の5兆9721億円。穀物の取引が増えたことで、収益自体は伸びました。「商品の販売等に係る原価」が15.4%増え、売上総利益は12.2%増の5496億円となりました。まずまずの業績です。円安も円ベースでの換算額に影響していると考えられます。
ところが、一時的な巨額損失が計上されています。「固定資産評価損」が、前の期より4.6倍の1497億円まで膨れあがっているため税引前四半期利益は、47.5%減の1011億円となりました。
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