リモートワークの高ストレス抑える絶妙な仕掛け 「1日4件」以上の会議がいかに人を疲れさせるか

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リモートワークで疲れている女性
「1日4件」以上の会議と「フルリモート」でストレスは激増します(写真:MAPS/PIXTA)
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NTTグループが「原則テレワーク勤務」を発表するなど、大企業でもテレワークを推奨する企業が増えてきました。

そんな中で、「1日4件」以上の会議と「フルリモート」では生産性が下がることが明らかになっています。

一方で、そうしたリスクを承知のうえで、リモートワークを続ける企業も存在します。

その判断の裏には、どのような秘策が隠されているのでしょうか? その秘策を、産業医の観点から解説します。

2022年はテレワーク推進の流れが加速する年となりました。4月にはヤフージャパンが、交通費を月額15万円まで支給し、飛行機通勤も認める制度を開始。7月にはNTTグループが「原則テレワーク勤務」となり、出社は出張扱いにするという運用を始めました。

一方で、スマホアプリ開発のDUMSCO(本社・東京都港区)が展開する、自律神経を測定することで、無自覚のストレスも可視化するアプリ「ANBAI」を用いた調査では、1日4件以上の会議を境に、休職するリスクの高いビジネスパーソンが急増、38%に達することが明らかになっています。

また、東京医科大学の調査では、フルリモートワークでは生産性が下がることが明らかになっています。

テレワーク独自のストレスの正体

2020年から、オンライン会議での違和感に起因する疲労を指す用語として「zoom fatigue(zoom疲れ)」という⾔葉が注⽬されています。人間の顔というのはそもそも非常に認知負荷が高いため、ギャラリービューなどで多くの人の表情という情報にさらされ続けることでの疲労感を感じやすいのです。

Zoom疲労の研究で知られるヨーテボリ大学のフォヴィルらの研究によれば、⼥性は男性に⽐べて約15%も強くzoom疲労を感じているそうで、その最も大きな要因は「⾃分の顔が映り続けることのストレス」であったことが判明しました。

また、東京医科大学の発表では、リモートワークの頻度が増え、特にフルリモートになると、 体内時計が乱れることで、夜型化しやすいことが明らかになっています。睡眠のリズムが崩れることで、自律神経の調整機能に支障をきたすと、身体的・精神的にも大きく影響が出てきます。

「リモートワークは楽」とは一概に言えるものではなく、通常業務とは違ったストレス要因があり、独自の対策が必要であると思います。

こうした新しい時代のストレスに対処するために、さまざまな企業がユニークな対策を講じています。

たとえば、「夜型化」の問題に、「食」の観点で取り組んでいるのが、置き型社食「オフィスおかん」などを提供するOKANです。

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