ここ数年で、日本国内で急速に普及した「ネガティブな対韓イメージ」で最大級のものといえば、「韓国は国際合意を守らない」だろう。
「韓国は約束を守らない、いい加減にしてほしい」という批判である。
韓国側からすれば、「弱かったときに飲まされた不当な条約の”棚上げされた論点”に関し、あるべき正義を実現する」という話にすぎない。
しかし、不当だろうが何だろうが「合意」を重視する永田町の政治家にとっては「合意事項を変えるな!」と怒ることになる。
この「韓国は国際合意を守らない」という言説は、かつては聞かれなかった対韓非難である。
しかし、朴元大統領と故・安倍首相が結び、文政権が反故にした「慰安婦合意」だけでもインパクト十分だったところ、畳みかけるような徴用工問題での大法院の判決と韓国政府の支持で、いわゆるネット右翼層を超えて多くの日本人に、「いい加減にしろ!」感を急速に蔓延させた。
これらは連日メディアで大々的に報道されたので、日本の親韓派でも擁護できない「光の速度での合意反故」であった。
政権が代われば「対外合意」を簡単に変えていいのか?
日本は不当なルールでも守ることが「最大級の美徳」なのに、韓国は政権が代われば、はるか過去に遡って「あの不当な合意はおかしい」と見直しが始まる。
このことは、どんな合意でもルールと見なし尊重する日本人を相手に、「歴史問題の被害者は日本」「謝罪すべきは韓国のほう」という印象に変えさせる、破壊力抜群の悪手となった。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら