大泉洋退場から3カ月「鎌倉殿」一層盛り上がる訳 不安を乗り越え、三谷幸喜マジックが冴え渡る

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NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」
第37回のタイトルにネットがざわついたワケは?(画像:NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」公式サイトより)

9月18日に放送された大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(NHK)第36回の最後に次週予告の映像が流れたとき、ネット上がざわつきました。

その理由は「オンベレブンビンバ」というタイトル。「意味がわからない」「謎すぎる」と戸惑う声から、イタリア語で「子どものための影」という意味や、脚本を担う三谷幸喜さんの造語説、さらに、ウケ狙いの大喜利までさまざまな声が飛び交い、この1週間話題を集め続けています。

これまで各週のタイトルでは、第15回「足固めの儀式」(万寿と頼朝政権の足固め)、第20回「帰ってきた義経」(平泉と鎌倉に届いた首桶)、第28回「名刀の主」(梶原景時&源頼家と善児&梶原景時)、第32回「災いの種」(生き返った源頼家と比企尼が善哉に北条への恨み節)、第33話「修善寺」(源頼家最期の地名と“終”善児)などのダブルミーニングで盛り上がってきましたが、ここに来て別次元の謎フレーズを投入。その脚本が何度となく称えられてきた“三谷幸喜マジック”がさらに冴え渡っています。

しかし、今から約3カ月前の7月3日、第26回の放送で、源頼朝(大泉洋)が妻・政子(小池栄子)に看取られながら死を遂げたとき、「鎌倉殿の13人」の先行きを不安視する声があがっていました。

頼朝亡きあとに不安視された理由

頼朝は未熟で周囲に振り回されることの多かった北条義時(小栗旬)に代わって前半の実質的な主人公となっていたこと。頼朝を演じる大泉さんの怖さと笑いを織り交ぜた演技が称賛を集めていたほか、ネット上も「#鎌倉殿どうでしょう」のハッシュタグで盛り上がっていたこと。さらに、「上総広常の佐藤浩市、後白河法皇の西田敏行、源義経の菅田将暉、八重の新垣結衣ら、これまでに命を落としてきた人物や演じた俳優と比べたとき、残っている顔ぶれが地味ではないか」という声などがあったのです。

しかも、頼朝が死んだ翌週の7月10日は参院選特番で放送休止を余儀なくされ、8月28日は「24時間テレビ」(日本テレビ系)のクライマックスと重なるという苦境に見舞われました。

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