激増する「不起訴の理由が不明」記事が大問題な訳 凶悪犯罪でも真相が水面下に潜ってしまう

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検察庁
検察が不起訴の理由を明かさないケースが増えています(写真:リュウタ/PIXTA)

「検察は不起訴の理由を明らかにしていない」

そんな決まり文句の付いた記事が激増している。不起訴になれば、公開の刑事裁判は開かれず、事件処理はそこで終わってしまう。殺人などの凶悪犯罪であっても容疑者が不起訴になれば、(検察審査会への申し立てなどがない限り)事件捜査の実相は水面下に潜ってしまうのだ。不起訴の理由は“謎”――。そんな状況が広がっていいのだろうか。

「嫌疑なし」と「起訴猶予」は天と地ほどの差

不起訴には主に「嫌疑なし」「嫌疑不十分」「起訴猶予」という3種類がある。

「嫌疑なし」は文字どおり、犯罪の容疑そのものがなかったという判断だ。捜査機関が集めた証拠には犯罪を証明するものがなかった。容疑者は無実であり、捜査が間違っていた可能性がある。

「嫌疑不十分」は、裁判で有罪を立証する証拠を十分に集められなかったケースなどを指す。

「起訴猶予」は、証拠に基づいて有罪を立証することは十分に可能だが、検察官の判断で起訴しないことを指す。罪の軽重や容疑者の境遇、被害弁済、示談成立などを考慮して、検察官はこの判断を下す。

同じ不起訴であっても、「嫌疑なし」と「起訴猶予」には、天と地ほどの差がある。したがって、不起訴が3種類にどれに該当するのかは、事件関係者だけでなく、地域住民らにとっても重大な関心事だ。

それにもかかわらず、不起訴に関する最近のニュースは、この3つの区分すら明らかになっていない。例えば、次のような記事だ。

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