激増する「不起訴の理由が不明」記事が大問題な訳 凶悪犯罪でも真相が水面下に潜ってしまう

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ただし、植木記者は検察の姿勢だけでなく、取材側にも問題があると感じている。

不起訴理由を開示すべきだと迫ると、他メディアの記者から「地検の発表は義務ではない。メディアは便宜供与を受けている立場だから、そこまで求めるのはいかがなものか」といった声が出ると明かす。

地方支局の取材記者を減らしている全国メディア

熊本地検の場合、次席検事は週2回、庁舎内で記者と対応する。次席検事に直接質問できる貴重な取材機会であるにもかかわらず、その場に現れない社も珍しくないそうだ。とくに全国メディアの支局記者にその傾向が強いという。

全国メディアは、地方支局の取材記者をどんどん減らしている。記者数人で県政や市政、事件事故、教育、文化、経済などをフルカバーし、広い県下を走り回るケースも少なくない。不起訴の理由を明らかにしない検察に対して粘り強く取材をかける体力は、とくに地方においては相当に失われている。

検察は「なぜ不起訴か」を開示する法的義務を負っていない。報道機関に不起訴理由を説明していた過去の振る舞いは、言ってしまえば、「便宜供与」「行政サービス」の枠内だったにすぎない。報道機関側はその枠組みの上であぐらをかき、不起訴理由を公開させる制度を作り上げることができなかった。

もの言わぬ姿勢を強める検察、取材力の劣化で基本的事実さえ把握できなくなってきた報道機関。その狭間で、「嫌疑なし」(事実上の無実)と「起訴猶予」(犯罪行為は認められる)の区別すら不明の“謎の不起訴”は今後も増え続けるだろう。

取材:高田昌幸=フロントラインプレス(Frontline Press)

Frontline Press

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「誰も知らない世界を 誰もが知る世界に」を掲げる取材記者グループ(代表=高田昌幸・東京都市大学メディア情報学部教授)。2019年5月に合同会社を設立して正式に発足。調査報道や手触り感のあるルポを軸に、新しいかたちでニュースを世に送り出す。取材記者や研究者ら約40人が参加。スマートニュース社の子会社「スローニュース」による調査報道支援プログラムの第1号に選定(2019年)、東洋経済「オンラインアワード2020」の「ソーシャルインパクト賞」を受賞(2020年)。公式HP https://frontlinepress.jp

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