今の日本株は「バブルの再来」ではない 安倍政権のブレない政策が株高を支える

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今の株価はバブルなのか、それともバブルではないのか(アフロ)

金融緩和については、「すでに効果は限界である」などという、根拠が薄い議論が最近メディア等で目立っている。しかし、金融緩和による総需要押し上げを徹底して脱デフレを果たす、アベノミクスの基本政策を変える経済状況にはまだほど遠い。

金融緩和を徹底して、インフレと資産価格上昇が続く正常な経済環境を定着させて、総需要を高める余地が十分ある。そして、それを通じて民間企業による投資・雇用拡大を底上げして、デフレ下で続いた1990年代後半からの縮小均衡のスパイラルから15年ぶりに、日本経済は抜け出すことに成功するだろう。

ぶれない安倍政権の金融政策がアベノミクス第二幕の肝

この点については、先に紹介した1カ月前のコラムで、アベノミクスを前進させるための政策としては、日銀審議委員の人事と日銀法改正がある、と筆者は紹介した。このうち、日銀審議委員人事については、岩田副総裁との共著が多く標準的な経済理論に精通している原田泰早大教授が審議委員として選定された。この人選は、官邸主導で実現した模様である。

また、山本幸三衆議院への質問に答える形で、2月4日の衆議院予算委員会で、安倍首相が日銀法改正について次のように言及した。

「政策目標は政府と中央銀行が共有する。同時に目標に進んでいく手段は日銀が決めることでないとならない」「日銀法改正については将来の選択肢として視野に入れていきたい」。

こうした真っ当な考え方で、安倍政権が金融政策について適切に関わり続ければ、黒田執行部登場によって変わった日銀の基本姿勢が、次の執行部にも引き継がれる可能性が高まる。

市場では、目先の金融政策運営について的外れな見方も含めてさまざまな議論がされているが、金融緩和の徹底を軸とする安倍政権の政策姿勢がぶれないことは、アベノミクス第二幕の肝になる。これは、日本の株高を支える大きな要因と筆者は考えている。

村上 尚己 エコノミスト

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むらかみ なおき / Naoki Murakami

アセットマネジメントOne株式会社 シニアエコノミスト。東京大学経済学部卒業。シンクタンク、外資証券、資産運用会社で国内外の経済・金融市場の分析に従事。2003年からゴールドマン・サックス証券でエコノミストとして日本経済の予測全般を担当、2008年マネックス証券 チーフエコノミスト、2014年アライアンスバーンスタン マーケットストラテジスト。2019年4月から現職。

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