また、「温度」の問題に加えて、調味料が入り込みすぎて「素材の味」がわからなくなってしまうという問題もあります。
たとえば「ごぼうサラダ」は、真空パックの中で、ごぼうがつけっぱなしという状態になりますよね。すると、後述する「2次加熱」によってマヨネーズが分離してしまいます。
その結果、マヨネーズに含まれていた「お酢」がグッと素材に入り込みすぎて、「風味」を壊し、「酢漬け」のような状態になってしまい、「素材の味」が損なわれてしまうのです。
いま述べた、「マヨネーズの分離」は、「真空パックの惣菜」の大きな欠点の1つです。
ポテトサラダを買ったときに、袋から出したときによく見てほしいのですが、表面にギラッと油が浮いているケースがありますよね。あの正体こそが「マヨネーズから分離した油」です。
この「マヨネーズの分離」も、「2次加熱」によって起こる可能性があるわけです。高温で加熱するから、マヨネーズの油分が分離して、表面に浮いてしまうのです。それによって、口当たりが油っぽくなり、ベトベトした食感になるのです。
こんなことは、家庭でつくるときにはまず起こらないことでしょう。これも「真空パック惣菜」の大きなデメリットといえます。
私も何十年来、「真空パック食品」の開発に関わってきていますが、この「マヨネーズの分離」の問題は、技術的にはどうしても克服できない部分です。
分離防止に「乳化剤」や「増粘多糖類」などの食品添加物を使う場合もありますが、あまり効果がありません。
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