有料会員限定

設立相次ぐ「大学ベンチャーキャピタル」の可能性 長期的な資金供給で設立ハードルを下げる役割

✎ 1〜 ✎ 126 ✎ 127 ✎ 128 ✎ 129
拡大
縮小

東大を皮切りに、早稲田、慶応まで独自VCを設立。資金面だけではない支援も特徴だ。

早稲田大学ベンチャーズ共同代表の山本氏(左)と太田氏(右)

特集「すごいベンチャー100 2022年版」の他の記事を読む

9月12日発売の『週刊東洋経済』9月17日ー24日号では、「すごいベンチャー100 2022年最新版」を特集(アマゾンの購入ページはこちら)。注目のベンチャー100社(2022年最新版・全リストはこちら)の総力取材記事に加え、ベンチャー市場の最新トピックスも網羅する。

ベンチャーの中でも、大学での研究成果をビジネスに結びつける「大学発ベンチャー」が増えている。さらに、それを資金面で支える大学の独自ベンチャーキャピタル(VC)の設立が相次いでいる。

独自のVCが大学発ベンチャーの増加に寄与

早稲田大学は4月、早大独自のVCである、早稲田大学ベンチャーズ(WUV)を発足させた。8月には産業革新投資機構や大和証券グループ本社などからの出資を受け、56.6億円規模のファンドを組成。1年以内に同ファンドを最大100億円にまで拡大させる予定だ。

週刊東洋経済 2022年9/17-9/24合併号[雑誌](すごいベンチャー100 2022年最新版)
『週刊東洋経済 2022年9/17-9/24合併号[雑誌](すごいベンチャー100 2022年最新版)』(東洋経済新報社)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。

田中愛治総長は1月の設立表明時に、「大学との連携を強め、研究や特許情報を共有する独自のVCがベンチャー育成に重要」とWUV設立の背景を語った。早大は、特許情報などは共有するものの、WUVの株式を2割しか持たないことで、独立した経営を確保する。

経済産業省の調査では、早大の2021年時点のベンチャー数は100社で全大学中11位。前年から10社増加したが、トップの東京大学は329社、5位の慶応大学は175社とその差は大きい。

同調査を見ると、VCを設立する大学が上位を独占していることがわかる。国立大では04年に東大が、私大では15年に慶応、18年に東京理科大学がVCを設立している。

次ページ多くは事業成長に時間がかかる
関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
特集インデックス
すごいベンチャー100 2022年版
全26社を「時価総額」と「営業損益」でランキング
約400社の企業価値を一覧、5年前との比較も
グーグル、ペイパルなど米国の巨人も買い手に
セブンドリーマーズは2019年に破産手続き開始
パビリオン・キャピタルの日本担当者を直撃
米国で20年ベンチャー投資、WiL伊佐山氏の提言
治療アプリの「キュアアップ」に70億円出資
脱炭素ベンチャー「アスエネ」急伸する3つの秘訣
CO2排出量を可視化、情報整理の負担を7割軽減
「すごいベンチャー100」2022年最新版・全リスト
全社総力取材、これが未来のユニコーンだ!
「テスラ超え」誓う、令和発EVベンチャーの潜在力
将棋AI開発者と自動運転のプロがタッグで起業
「過酷な検品」を変える産総研ベンチャーの新境地
AIの難点を克服し「不良品サンプル」なしで実現
アパレル店員の「賃上げベンチャー」が生む次の波
自己資金だけで流通総額1380億円に到達の異例
「エンタメ企業をWeb3化」ガウディが生み出す熱狂
バンナムやサンリオも頼る「NFT活用の伝道師」
「南場氏の大叱責」で奮起したYOUTRUSTの針路
転職活動を「呼吸くらい自然に」、人材SNSの挑戦
「脳ドック」をITで価格破壊、楽天役員OBの目算
「MRIシェアリング」ベンチャーが医療を変える
新星「Web3」「ESG」ベンチャーが放つ異色存在感
Gaudiy、アスエネ、テイラー…注目業界の25社
ファンの熱量高める場を構築
排出量把握の負担を軽減
サブスク店の予約・決済管理
データで選手の技術向上支援
ブロックチェーンゲーム開発
企業のメタバース構築を支援
独自運営のブロックチェーン
NFT化でデータに価値を
モバイルアプリなどの開発
「パブリックチェーン」の開発
CO2可視化で「標準」狙う
再エネの収支を一括管理
独自の統計手法で透明性確保
ESG経営をクラウドで支援
小型水処理プラントを販売
戦略的プライシングの実行支援
AI活用による店舗支援SaaS
CFO向け経営管理クラウド
ERPシステム構築の効率化
紙の郵便物をクラウド保管
スポーツファンのための賭博
サッカー選手への道を平等に
スポーツを通じて分析力向上
CO2排出量集計を効率化
太陽光を初期費用無料で
完全自動運転車開発の新鋭
検品作業の自動化ソフト
企業向けのセキュリティ訓練
脳ドックをITで価格破壊
エネルギー密度高い電池開発
AIが安全運転をサポート
市販向け垂直離着陸機を開発
「空飛ぶクルマ」を開発
船舶の自律航行技術を開発
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内