「テスラ超え」誓う、令和発EVベンチャーの潜在力 将棋AI開発者と自動運転のプロがタッグで起業

✎ 1〜 ✎ 9 ✎ 10 ✎ 11 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

「すごいベンチャー100」2022年最新版から7社をピックアップ。「モビリティ」領域からは、完全自動運転車の開発に取り組む「TURING」を拡大記事で紹介する。

既存車両の内装や電装関係を分析し、UXを重視したデザインを模索する(写真:TURING)

特集「すごいベンチャー100 2022年版」の他の記事を読む

「We Overtake Tesla.(テスラを超える)」。これを会社の合言葉にし、自動車業界に新たなうねりを起こそうとしているベンチャーがある。完全自動運転車の開発に取り組むTURING(チューリング)だ。

創業は2021年8月。目指すは令和初の国産自動車メーカーを立ち上げることだ。重厚長大産業に殴り込むチューリングを率いるのは、AI(人工知能)の領域で研鑽を積んできた2人の代表だ。

山本一成CEOはプロ棋士を破った将棋AI「ポナンザ」の開発者として知られる。青木俊介CTO(最高技術責任者)は、トヨタ自動車のジェームス・カフナー執行役員などを輩出した自動運転研究の名門・カーネギーメロン大学で博士号を取得し、自動車メーカーとの共同研究にも携わってきた。

狙うは前人未到の「完全自動運転」

週刊東洋経済 2022年9/17-9/24合併号[雑誌](すごいベンチャー100 2022年最新版)
『週刊東洋経済 2022年9/17-24号[雑誌](すごいベンチャー100 2022年最新版)』(東洋経済新報社)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。

2人はSNSでのやりとりを通じて出会い、「日本で産業をつくりたい」「大きな産業に対してイノベーションを起こしたい」と意気投合し、創業に至った。

野心的な経営ビジョンと、山本氏や青木氏の実績、これまでの研究開発が評価され、2022年7月にはベンチャーキャピタル(VC)など複数社から10億円の資金調達に成功。同8月にはKDDIが出資することが決まった。

チューリングは自動運転システムの研究開発を行っているが、最終到達地点として描くのは完全自動運転EVの開発だ。

青木氏は「エンジニアが技術開発をするうえで、成果物である商品、消費者を意識することは重要。創意工夫も変わってくる。アップルやテスラも(そういった点を重視することで)iPhoneやEVを高い価値として生み出している」と熱を込める。

次ページ技術要件がぐんと上がる「レベル5」
関連記事
トピックボードAD