資金調達環境に逆風が吹き荒れる中、それでも善戦するレイターステージのベンチャーはどこか。「大型上場予備軍」の現在地、第3回はティアフォーだ。
特集「すごいベンチャー100 2022年版」の他の記事を読む
ウェイモにはない「自由度の高さ」
2022年1~6月のベンチャーの資金調達額で首位クラスとなったティアフォー。既存株主のSOMPOホールディングスやヤマハ発動機に加えブリヂストンも出資し、121億円を調達。累計調達額は300億円に迫る。
ティアフォーは創業した2015年にオープンソースの自動運転用オペレーションシステム(OS)「オートウェア」を無償で公開。現在世界で500社以上が使用し、自動運転用OSの利用社数としては世界トップを誇る。
「カーボンニュートラルに向けたEV(電気自動車)化の流れも追い風だ」。創業者兼CTO(最高技術責任者)の加藤真平氏はそう語る。
EVは走行のほか空調などでも電力を消費するため、航続距離を延ばすためには自動運転の省エネ化が欠かせない。だが、「(アメリカのグーグル傘下で自動運転企業の)ウェイモの自動運転システムは数千ワットの電力でしか動かない」(加藤CTO)という。
ウェイモのシステムは極めてハイスペックで高額になるが、ティアフォーの場合は汎用品で構成でき、走行環境に応じて消費電力を10〜1000ワットの範囲で変えられる。どの程度高度な自動運転を実現したいか、目標に応じてシステムのスペックを柔軟に変更できる自由度の高さもティアフォーの強みだ。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら