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世界首位を爆走、自動運転「ティアフォー」の底力 「大型上場予備軍」の現在地③ティアフォー

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資金調達環境に逆風が吹き荒れる中、それでも善戦するレイターステージのベンチャーはどこか。「大型上場予備軍」の現在地、第3回はティアフォーだ。

ティアフォー創業者兼CTOの加藤真平氏
日本交通とも協業し、自動運転タクシーの実用化を目指す。創業者兼CTOの加藤真平氏は東京大学准教授も務める(撮影:尾形文繁)

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株式市場の冷え込みはベンチャー業界にも暗い影を落とした。とくに、すでに一定規模まで事業が拡大し上場前夜と目される「レイターステージ」の各社の資金調達環境が大きく悪化し、経営戦略の見直しを迫られるケースも相次いでいる。
そんな中でも、独自の強みを磨き上げて投資家から巨額資金を引き出し、道を切り開くベンチャーは存在する。日本だけでなく、海外で着実な事業拡大を遂げる会社も増えてきた。彼ら「大型上場予備軍」の現在地に迫る。

ウェイモにはない「自由度の高さ」

2022年1~6月のベンチャーの資金調達額で首位クラスとなったティアフォー。既存株主のSOMPOホールディングスやヤマハ発動機に加えブリヂストンも出資し、121億円を調達。累計調達額は300億円に迫る。

ティアフォーは創業した2015年にオープンソースの自動運転用オペレーションシステム(OS)「オートウェア」を無償で公開。現在世界で500社以上が使用し、自動運転用OSの利用社数としては世界トップを誇る。

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「カーボンニュートラルに向けたEV(電気自動車)化の流れも追い風だ」。創業者兼CTO(最高技術責任者)の加藤真平氏はそう語る。

EVは走行のほか空調などでも電力を消費するため、航続距離を延ばすためには自動運転の省エネ化が欠かせない。だが、「(アメリカのグーグル傘下で自動運転企業の)ウェイモの自動運転システムは数千ワットの電力でしか動かない」(加藤CTO)という。

ウェイモのシステムは極めてハイスペックで高額になるが、ティアフォーの場合は汎用品で構成でき、走行環境に応じて消費電力を10〜1000ワットの範囲で変えられる。どの程度高度な自動運転を実現したいか、目標に応じてシステムのスペックを柔軟に変更できる自由度の高さもティアフォーの強みだ。

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