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「急きょ上場延期」、決断した社長の本音とその後 「大型上場予備軍」の現在地⑤エニーマインド

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資金調達環境に逆風が吹き荒れる中、それでも善戦するレイターステージのベンチャーはどこか。「大型上場予備軍」の現在地、第5回はエニーマインドグループだ。

エニーマインドグループ 十河宏輔CEO
十河氏は上場延期の経緯について「みんな初めての経験だった。社内でいろんな議論があった」と振り返る(撮影:大澤 誠)

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9月12日発売の『週刊東洋経済』9月17日ー24日号では、「すごいベンチャー100 2022年最新版」を特集(アマゾンの購入ページはこちら)。注目のベンチャー100社(2022年最新版・全リストはこちら)の総力取材記事に加え、ベンチャー市場の最新トピックスも網羅する。
株式市場の冷え込みはベンチャー業界にも暗い影を落とした。とくに、すでに一定規模まで事業が拡大し上場前夜と目される「レイターステージ」の各社の資金調達環境が大きく悪化し、経営戦略の見直しを迫られるケースも相次いでいる。
そんな中でも、独自の強みを磨き上げて投資家から巨額資金を引き出し、道を切り開くベンチャーは存在する。日本だけでなく、海外で着実な事業拡大を遂げる会社も増えてきた。彼ら「大型上場予備軍」の現在地に迫る。

売上高192億円の「異色ベンチャー」

まさに急展開の大型調達だった。7月に三菱UFJキャピタルなどから借り入れも含め約50億円を調達したのが、エニーマインドグループだ。

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主にインフルエンサーや企業に対し、マーケティング支援を展開している。足元では、自ら企画・製造した商品をネット販売するD2C(ダイレクト・トゥー・コンシューマー)が拡大しており、ECサイトの構築や運用、商品の企画・設計、物流まで一気通貫で支援することが強みだ。

ほかにも、インフルエンサー事務所やメディア向けの収益化支援など、多様な事業を展開している。創業の地が東南アジアで売上高の約6割を海外で稼ぐなど、日本のベンチャーとしては異色の存在でもある。

業績は好調で、2021年度の売上収益は前期比57%増の192億円。一見すると50億円の調達も順当に思えるが、なぜ“急展開”だったのかといえば、3月に新規株式公開(IPO)予定だったにもかかわらずその約3週間前に急きょ中止したからだ。

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