「ベンチャー投資マネーの膨張」に漂う期待と不安 数字と図表で徹底解説!ベンチャー最前線②

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株式市況の低迷に影響を受け、アメリカなどで「ユニコーン」(評価額10億ドル以上で創業10年以内の未上場企業)としてもてはやされた企業の評価額が急落している。人員削減に追われるケースも相次いだ。

国内ベンチャーを見ても、主にレイターステージと呼ばれる株式上場が視野に入った段階の企業は、一部が上場の延期や評価額が頭打ちになる事態に見舞われるなど、資金調達環境も徐々に変調を来している(詳細は9月9日配信の前編記事:調達環境に大異変「ベンチャー選別時代」の勝ち筋)。

9月12日発売の『週刊東洋経済』では、「すごいベンチャー100 2022年最新版」を特集。注目のベンチャー100社の総力取材記事に加え、ベンチャー市場の最新トピックスも網羅する。

現在日本のユニコーンは11社と、2021年から数は変わっていない。評価額1000億円以下では徐々に金額を伸ばす企業も少なくないが、ユニコーンがどこまで増えるかは未知数だ。

レイターに達していない創業期のアーリーや成長期のミドルのステージは、「国内VCの層が厚くなっているので投資が止まることはない」(グロービス・キャピタル・パートナーズの高宮慎一代表パートナー)。とはいえ、ベンチャーを選別する動きが徐々に広がってきている。

事業環境の「見極め」も肝要に

週刊東洋経済 2022年9/17-9/24合併号[雑誌](すごいベンチャー100 2022年最新版)
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お金を集められる会社の条件とは何か。

高宮氏は、「カネ余りの状態ではGrowth is king(成長が王様)だったが、金利が高くなればCash is king(現金が王様)だ。コストが売り上げに見合っているかという事業の採算性が大事。これから勝ち組の選別が厳しくなる」と指摘する。

「調達だけでなく事業環境を見極めることが重要」と話すのは、シード投資を行うANRIの佐俣アンリ代表パートナーだ。

ここ数年増加したBtoBベンチャーは、同じベンチャーを顧客にすることが多い。「ベンチャーの潤沢な予算の恩恵を受けていた市場は成長が鈍化する。注視してほしいと投資先には伝えている」(佐俣氏)。

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