序列が上がる「昇進」「出世」が大きな意味を持つ「組織内タテ流動」のなかでは、社員は「単純化した仕事」を精神論でこなし、出世を目指してきました。
会社側も、わずかな昇給差と生涯のマラソンレースの勝敗を結びつけて、社員に「出世を目指して精神論で走らせる人材マネジメント」を行ってきたのです。
しかし、「組織内タテ流動」による日本企業の組織モデルは、すでに崩壊しつつあります。今までの「タテ社会」に限界がきているのです。
そして当然、日本も欧米のような「ヨコ社会」へ変化しつつあります。
これまで、「対・上司」「対・部下」といった関係性を重視してきた日本企業にとっては、「極めてショッキングな大変化」といえるでしょう。
「ヨコ社会」では個々人の「学びの主体性」が引き出される
上司や先輩が今まで積み上げてきた経験や既存の知識が通用しなくなり、「タテ社会」が次第に機能不全になってきたことから、「ヨコの学び合い」による創発型の職場学習を重視する企業も出はじめています。
「ヨコの学び合い」では、組織の内部だけでなく、組織の境界を越えて外に出て行き、「多様な引き出し」を持った者同士が集まります。外の多様な領域の人々に接し、学び合い、互いに刺激を得ていきます。
最近、企業や組織などで「創発(emergence)」という概念が注目されるようになっていますが、この創発を生み出す場の1つとして重要なのが「ヨコの学び合い」です。
「ヨコの学び合い」が有効なのは、互いに刺激し合い、気づきを得ていくことで、個々人の「学びの主体性」が引き出されるからです。その意味で、「独学力」と「ヨコの学び合い」は、学び方を変えていくためのクルマの両輪ともいえるでしょう。
「ヨコ社会」への大転換に乗り遅れ、さらに「主体的に学ぶ」ことも放棄すれば、この先、間違いなく取り残されます。
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