会社員を襲う「あまりに大きな2つの変化」の本質 「生き残る」には「独学」が必要!その深い訳は?

✎ 1〜 ✎ 3 ✎ 4 ✎ 5 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

山岸さんが提唱した概念には、もう1つ、「安心社会」とは対極の概念があります。それは「信頼社会」です。「信頼社会」は「開放的な社会」で、他者と信頼し合い、協力関係を構築することで成り立つ社会です。

「信頼社会」は、開かれた人間関係の中で、多様な人たちと信頼関係を結び、関係性を広げていくため、つねに外での機会を取り込みます。その際、だまされるなどのトラブルを予防するため、はじめて会った人でも「信頼できるかどうか」を感知する「人間性感知能力」が高まります

「信頼社会」を目指す組織は、外に対して開かれて遠心力がつねに働くため、成員にとって腹落ちできるビジョンやミッションによって求心力を高めることが重要になってきます。

これからの日本企業は、「安心社会」から「信頼社会」への変化が強く求められています。外部のリソースを素早く取り込むことでイノベーションが加速し、価値が生み出される時代になってきているからです。

生き残るためには、自ら学ぶ「独学」が、今こそ必要

ビジネスモデルはさまざまな条件のもとで成り立つため、多くの場合、条件が変わることによって成り立たなくなるという「賞味期限」があります。

日本企業も、デジタル化をはじめとするテクノロジーの革新などにより、ビジネスモデルが根底から大きく変わり、「タテ社会」も「安心社会」も無力化する事態を直視しなければならないのです。

【大変化①】「タテ社会」から「ヨコ社会」へ
【大変化②】「安心社会」から「信頼社会」へ

この2つの変化は、これまでの日本的経営を根本から覆す「大転換」となるでしょう。これに対応するべく、企業も個人も「今までとまったく異なる形」へ大きく変化していく必要があります。

そして、これからの「社会の大変化」のなかで、自分の関わっている事業のビジネスモデルが陳腐化したり、「大きな変化」が避けられないと予想されたりしたら、その「変化の本質」を見極め、「次のビジネスモデル」を想定した「独学」を始めるべきです。

就職時点でエントリーシートや履歴書に書いた「学歴」は、社会人には役に立ちません。長いキャリア人生においては、「独学」こそがキャリアを切り開く糧になるのです。

日本社会が直面する「大きな変化の波」を乗り切るために、「自ら学び続ける力」すなわち「独学力」を磨いてほしい。それができれば、日本企業全体も、そしてあなた自身も、大きく成長していくはずです。

この記事の画像を見る(2枚)
高橋 俊介 慶應義塾大学 SFC研究所上席所員、キャリア論の第一人者

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

たかはし しゅんすけ / Shunsuke Takahashi

1954年東京都生まれ。東京大学工学部航空工学科を卒業後、日本国有鉄道に入社。プリンストン大学工学部修士課程を修了し、マッキンゼー・アンド・カンパニ-東京事務所に入社。1993年に世界有数の人事組織コンサルティング会社である米国ワイアットカンパニーの日本法人ワイアット株式会社(現ウイリス・タワーズワトソン)の代表取締役社長に就任。社長退任後は、個人事務所ピープルファクターコンサルティングを通じ、コンサルティング活動や講演活動、人材育成支援等を行う。2022年4月より慶應義塾大学 SFC研究所上席所員。キャリア形成、人材マネジメント、リーダーシップ、働き方改革などに確かな知見を有し、本質を見抜く目に定評がある。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事