左脳の機能失った脳科学者が発見、凄い脳の使い方 4つのキャラを知れば、なりたい自分になれる
竹内:<4つのキャラ>は、ユング心理学とも符合するそうですね。
テイラー: カール・ユングは4つの元型について述べています。元型とは、私たちが、ある時どきに示す性格のこと。いわば、私たちを決定づける性格のプロフィールのようなものです。
私は、カール・ユングの4つの元型と、脳の4つの部分によって表される<4つのキャラ>がほぼ完璧に重なりあっていることに気がつきました。
ただし、違うところもあります。ユング心理学では、4つの元型のうち1つだけ意識的な「自我」があり、それ以外はすべて無意識だとしていることです。私の世界では、<4つのキャラ>にみな意識があります。
私の左脳に脳出血が起こったとき、私は<キャラ1>と<キャラ2>を失いました。<キャラ1>はユングの言う「自我」、<キャラ2>は「シャドウ」つまり、過去の苦しみや将来への不安です。それらがなくなって、私に残されたのは、「今、この瞬間の経験」であり、ユングが「アニマ・アニムス」と呼び、私が<キャラ3>と呼んでいるものと、私が<キャラ4>と呼んでいる「真の自己(セルフ)」だけでした。
これはとても興味深いことです。100年以上にもわたって、4つの特定の性格のタイプが、人間の内面を表出するという考えが受け入れられているのです。
もちろん、それが心理学なのだということはできます。しかし、心理の動きはすなわち脳の機能であり、その出力の仕方なのです。神経解剖学者である私は、脳細胞を見て「この細胞がもっている能力に基づいて、その人の性格が決定づけられる」と考えます。
私は自分の脳のどの細胞群がどのような働きをしているのかを知ることで、意識的に行動することができるようになっていました。心理学や精神医学に興味がある人なら、これはとても興味深いことだと思います。
世代間ギャップは脳の働き方の違いから生まれる
竹内:世代間ギャップは脳の働き方の違いから生まれる、という指摘もされていますね。それぞれの世代に、典型的な強いキャラがあると。
テイラー:そうですね。脳の情報処理の仕方が世代によって異なると考えて、それを<4つのキャラ>に当てはめてみてみると、興味深いことがわかったんです。日米の世代の捉え方は多少ずれるかもしれませんが、その違いについては、ほぼ同様の見方ができると思います。
今アメリカを動かしているのはミレニアル世代ですが、ミレニアル世代は、団塊の世代とはまったく逆のやり方で、ビジネスや仕事に取り組んでいます。
この2つの集団の間には大きな溝があって、その溝は団塊の世代が左脳的なスキルセット、つまり言語、数学、工学、こういった構造を「左脳」を通して学んだことと、その子どもの世代(ミレニアル世代)はテクノロジーの進歩によって「右脳」を通して学んだということが、一部起因していると考えられます。
右脳の情報整理の仕方は、左脳のそれとまったく違うのです。ですから、左脳に偏った人々と、右脳に偏った人々の間には、世界をどのように見て、何に関心を持ち、何を大切にして、どのように生きるのかということに関して、大きな隔たりがあるのです。
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