すかいらーくがコメダに実は翻弄されている理由 「100店閉鎖」に至らしめたインフレ以外の要因
コロナ禍でもコメダが健闘している
経済評論家の坂口孝則氏は8月22日配信の記事(「すかいらーく『100店閉鎖』大苦境の中に残る希望 テイクアウト成長期待や居抜きのチャンスはある」)において、ロードサイド店舗の閉鎖については、原油高に伴うガソリン代支出の増加によって、郊外に居住する家族の多くが外食を控えたこともその原因の1つにあると指摘している。だからこそ、すかいらーくは苦境に立たされているのではないかと。納得感のある指摘だ。
しかし、コメダ珈琲店もまた、その多くがロードサイド立地の店舗である。それにも関わらず、ここ数年その業績は堅調で、2022年2月期の決算では過去最高の売上高を叩き出し、ドトール、サンマルク、ルノアールの中で唯一、営業利益を出したことが明らかになっている。店舗数も増加基調にあり、2018年に800店舗を超えると、5月時点で950店舗と、節目の1000店舗まであと少しだ。
カフェ業態とファミレス業態という業態の違いもあるため、単純にコメダとガストを比較することは難しいが、外食控えが進むなかでも、コメダが健闘しているのは明らかである。
つまり、「ロードサイド立地」という特性で比較したときに、コメダのほうがガストよりも、その需要を的確に反映しているということになる。
実際、コメダは郊外に居住するファミリー層の需要を反映した施策を、数多く実施している。たとえば2019年には、キッズ向け新メニューを発表したし、一部店舗では、絵本やお絵かき帳を置くなどのサービスもある。
さらに、コメダの強みとして、圧倒的にFC(フランチャイズ)の店舗が多いため、地域の特性に合わせた柔軟なサービスや、キッズ向けの細やかなサービスも提供できるという点も指摘できるであろう。店員の裁量でサンドイッチのカラシを抜いたり、野菜を抜いたりといったこともできると聞く。テーブルごとに仕切りがされているのも、ファミリーが心置きなくカフェや食事を楽しむことができる証拠だろう。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら